豊後 水道
浦前のおかん料理
豊後水道西部で資料収集

 浦前の母ちゃんは手早く小魚料理をする。魚は鮮度を落とさなければ旨いからです。小魚には高価な高級魚とは別味の「実に美味な魚種」が多くあります。
紹介する手料理は高級魚を使用するメジャーな料理ではなく、小魚を使った「素朴なおかん料理」なので自分流にアレンジすると、もっと美味しいと思います。参考になれば幸いです。

観音崎近くの奇岩「おかんの尻」




つみひらき (小魚の刺身

使用する魚  新鮮な小アジ・キビナゴ・カタクチイワシ・ウルメイワシ・マイワシ。
鮮度  カタクチイワシとウルメイワシ、マイワシは「鮮度の落ち」が早いから獲りたてがいい。小アジやキビナゴはそれに準じる。
料理方法  先ず鱗を冷水で洗い去り、小魚の頭を指先でハラワタと共に取ってから、指先で小骨添いに「つみ開いて」骨を尻尾と共に外す。小アジは同時に皮を引き剥ぐ。これで刺身の調理は終了。尚、マイワシやアジなど大きめの魚には一口サイズに包丁を入れる。
※ カタクチイワシ・ウルメイワシ・キビナゴの小さなものは、幅のある堅い梱包紐を利用し、これをループしたものでそぐと手早くできる。
※ 水洗いは頭とハラワタを取った時だけとし、「つみ開き」後の水洗いは食味が落ちるから絶対にしない。
※ 調理直後に食するのが浦前の漁師だが、食事までは冷蔵庫に入れておくがいい。
調味料  カボス又はダイダイを絞りかけて、好みの量だけ醤油を追加する。
※ カボスは8月〜11月、橙は12月〜3月までが果汁が多くて風味がいい。
注意事項  小魚の鮮度を落とさないように氷で〆た魚を取り出しながら調理する。
食味の特徴  「つみ開く」ことにより、骨身との分離がうまくできるだけでなく、魚の旨味が滲み出るからであろうか?実に旨い。



あつめし
使用する魚  鮮度のいい・ブリや真鯛など・・・刺身となる魚であれば可。
鮮度  獲りたての魚・活き〆した新鮮な魚。
料理方法  魚を刺身にして、醤油・酒・・小切りネギ・ゴマに漬け込んでおく・・・好みによって、数分〜翌日(要冷蔵)。 炊きたてのごはんに10切れほど乗せて食する。魚身を熱いごはんの中に押し込むと、半熟となって旨味が増す。  好みによって、ダシ汁や熱いお茶をかけて食してもいい。

調味料  醤油・酒・ゴマのみ。※ 好みによって他の調味料を追加してもいい。
注意事項  炊きたての熱いごはんであること。
ごはん  炊きたての熱いごはん。
食味の特徴  漁師が船上で、醤油漬けした刺身をごはんに乗せて食したのが始まりだそうだ。



セグロのみそ汁
使用する魚など  獲りたてのカタクチイワシ・マイワシ・ウルメイワシとアオサ。※ キビナゴは脂肪分が少なく、味が淡白なので使わない。
鮮度  新鮮で漁獲直後に氷水で〆たカタクチイワシなど。※ セグロ=カタクチイワシの大きいもの。
料理方法  普通のみそ汁のダシとして「カタクチイワシ」などを使用する。 ハラワタには若干の苦みがあるから、頭とハラワタを手早く取り去ってみそ汁のダシにするが、炊き過ぎずに煮立つ程度でいい。
調味料  味噌のみ。 ※ 具の一つとしてアオサを入れると絶妙な味が出る。
注意事項  野菜類などの「みそ汁の具」は少ない方が旨い。※ 蓄養したカタクチイワシは脂肪分が抜けているから使えない。
食味の特徴  新鮮なイワシ類であれば、中骨から身が縮んで反り返った状態となり魚肉が実に旨い。又、アオサとの取り合わせは最高の味、みそ汁の表面には脂が浮いてダシ効果は絶大。
 


せんぼんづけ(千本漬け) ※ 数多くの中小のカタクチイワシ使用の意味がある。
使用する魚  小さなカタクチイワシ。
鮮度  新鮮で漁獲直後に氷水で〆たカタクチイワシ。
料理方法  頭とハラワタを手早く取り去ってから、カボス又はダイダイを絞ったものに味噌を入れた「酢味噌」に浸して食する。
 ※ 鱗を取るには、簡単な水洗いをすると綺麗に流れ去る。
調味料  カボス又はダイダイなどの柑橘酢と味噌。※ カボスは8月〜11月、橙は12月〜3月までが果汁が多くて風味がいい。この時季以外はポン酢でもいい。
注意事項  鮮度の落ちたカタクチイワシは使用しないこと。※ カタクチイワシは鮮度が落ちるとハラワタが露出する。
 ※ 家庭によっては頭部が付いたまま食するが、強い苦みとクセがある。
食味の特徴  カタクチイワシは小羽、中羽なので、中骨共に食すと噛む時の歯触りと、その食味は最高。魚には癖がなくダイダイやカボスなど柑橘類の酢との取り合わせは癖になる旨さ。
※ 片手で尻尾を持ち、もう片方の手でカタクチイワシの腹に指を掛けて軽く引くとハラワタと頭部が抜ける。



しらぼし
使用する魚  小羽・中羽のカタクチイワシ。
鮮度  新鮮で漁獲直後に氷水で〆たカタクチイワシ。
加工できる季節  海水で洗ったカタクチイワシを寒風にさらすだけなので、冬季の寒い日に限定される。
料理方法  鱗を取るには、簡単に海水で水洗いをすると綺麗に流れ去る。
 頭は取らず、海水で洗ったカタクチイワシを2日〜3日天日干しすると乾燥する。
 乾燥したカタクチイワシを佃煮などにして食する。
調味料  全く使用しない。
注意事項  乾燥中に鳥やネコには要注意。乾燥後には冷蔵庫で保管する。
食味の特徴  少々堅いがコクのある食味・・・各種の料理に挑戦して使用するがいい。



すぬた
使用する魚  カタクチイワシ・マイワシ・ウルメイワシ。
鮮度  新鮮で氷水で〆たカタクチイワシ。
料理方法  つみひらき、又は大きなものは刺身程度に小切りして15分程度酢漬けし、盛り付け前には軽く絞る。野菜は軽く塩もみしたキュウリ、又は春先にはワケギがいい。ワケギは3cm程に切ってから軽く茹でる。 ※ 細いのは結んで使用する。 
調味料  味噌。ダイダイ又はカボスと・ゴマ・みりんで酢味噌をつくる。
※ カボスは8月〜11月、橙は12月〜3月までが果汁が多くて風味がいい。この時季以外はポン酢でもいい。
注意事項 野菜は茹で過ぎないこと。
食味の特徴 皿に野菜と酢漬けした魚を盛り、酢味噌をかけて食する。



せぐろの煮物(大きめのカタクチイワシ)
使用する魚  大きめのカタクチイワシ・ウルメイワシ・キビナゴ・マイワシ。
鮮度  新鮮で氷水で〆たカタクチイワシ。
料理方法  頭とハラワタを取り除く。(片手で尻尾を持ち、もう片方の手でカタクチイワシの腹に指を掛けて軽く引くとハラワタと頭部が抜ける。)
醤油、砂糖、酒、みりんなどに好みの量だけ水を加えるて煮汁を作る。沸騰してから水洗いしたセグロを入れる。
味が浸みるまで煮ると仕上がり。
調味料  ショウガの短冊切り。隠し味に梅干しを若干入れるのもいい。
注意事項 魚とマッチした量の煮汁で煮ること。煮過ぎないこと。
食味の特徴  新鮮なイワシ類であれば、中骨から魚身が縮んで反り返って実に旨い。



鯛の刺身
使用する魚  真鯛・チダイ・キダイなど鯛類。
鮮度  活き〆した新鮮な鯛類。
料理方法  鱗を綺麗に取り去ってから3枚に下ろす。腹骨は切り取るが皮は剥がない。
 皮側をタタキ風に火で若干炙ってから事前に準備しておいた氷水で冷やす。尚、熱湯をかけて冷やしてもいいが、香ばしさは劣るようだ。
調味料  カボスやダイダイを絞りかけ、好みの量だけ醤油やワサビ、野菜のツマを追加して食する。
※ カボスは8月〜11月、橙は12月〜3月までが果汁が多くて風味がいい。
注意事項  炙り過ぎないことが肝心。炙った直後に氷水に浸すこと。
食味の特徴  身が砕けずに皮身の脂分が溶け出るから、食味が良くて旨い刺身が食える。
 真鯛は1s〜3s物で、肥満したものは年間を通して旨いことこの上なし。



やきざかな(焼き魚)
使用する魚  カマス・アジ・イワシ・メバル・ベラ・カサゴ・タチウオ・小型の鯛類など。※ 新鮮なサンマやイワシも旨い。
鮮度  新鮮なほど旨く、脂がのった旬の魚は旨い。
料理方法  炭火で炙り焼きするのが最もいいが、ガスの炎で焼いてもいい。
調味料  カボス,又はダイダイを絞りかけるだけでも旨いが、好みで醤油や刺身のツマを付けるがいい。
特記事項  カボス,又はダイダイを絞りかけた場合、塩分ゼロなので減塩食をしている方にお薦めしたい。
※ カボスは8月〜11月、橙は12月〜3月までが果汁が多くて風味がいい。この時季以外はポン酢でもいい。
食味の特徴  カボスやダイダイは魚との取り合わせが良く、殺菌力が強い上に絞りかけるだけで焼き魚の旨味を引き出す。尚、同じ柑橘類でもレモンでは旨味がなく、レモンの香りと酸味は焼き魚にはそぐわない。



いもきり(芋切り)
 芋や麦が主食であった食糧難の頃、浦前の副食であり、最大の御馳走でもあった。
材料  芋の粉(生のサツマイモを輪切りにして乾燥させて微粉としたもの)
 ※ 芋の粉はスーパーなどで市販されていることがある。
料理方法  ソバ打ちの要領でこねるがいい。適宜沸騰した熱湯を入れながらこねると粘りがでてくる。耳たぶ程度に弾力が出れば終了。
麺にする  延べ板の上で「延べ棒」を使用して、ソバ打ち風に薄く延ばしてから麺に仕上げる。
 セイロで蒸してから冷水に短時間浸し、ざるに揚げて水を切り、一人前ずつ椀に取って、小魚でとった熱いダシ汁をかけて食する。
使用するダシ魚  あかどんこ。メバル子などはそのまま。ベラ・カサゴ・メバル、などの大きい磯魚は焼き魚にして身を解してダシにする。アジやカマスなどを焼き魚にしてもいい。ネギを刻み込むと合う。
調味料  醤油。
注意事項  冷水には長く浸さない。
食味の特徴  麺は薄い茶色だが、食感と風味も良く、ダシにした小魚との取り合わせは実にいい味だ。※ ソバより旨いと言っても過言ではない。



ひぼかし(火炙し) ひぼかしゃー(焼けば)うまいぞ。
昔は  保存する為に、魚を焼く事を当地では「ひぼかす」と表現する。冷蔵庫が無かった昔は、魚を貯蔵するには、塩蔵と干物以外に方法はなかった。しかし、焚き火や炭火で焼いた魚の身をほぐして天日で乾かすと、燻製的な効果が出るのか一定期間は保存できる。
 焼き魚を乾燥させると燻製的な効果で{一味違う}食味となり、冷蔵庫での長期貯蔵も効く。歯答えも良く、魚独特の匂いも消えるから味噌汁や酢の物のダシには欠かせない。
使用する魚  アジやサバ等の青魚でもいいが、ホゴ・メバル・イサキ・タチウオ・チダイなどの白身魚であれば尚いい。又、外道として嫌われるべラやアイナメ・メジナも癖のある匂いも飛び、いい味がでる。特にエソやトラハゼ・カナガシラは絶品だ。
鮮度  鮮度がいい魚ほど食味がいい。
調理の方法  鱗やハラワタは取らず、新鮮な磯魚などを焚き火や炭火で焼魚にして身をほぐす。
 解した魚の身肉は、食油をひいたフライパンで水分を飛ばしてから冷蔵庫で保管する。
※ 冷蔵庫で短期間保管する場合には、完全に乾燥させる必要はないが、長期に保存する場合には乾くまで混ぜて冷凍保存するといい。
エソは小骨が多い。危険な骨ではないが、保管前に箸で挟み出すといい。
使用方法  {みそ汁}や{酢の物}の他、あらゆる料理のダシに使用すると旨い。
注意事項  焼き上がり次第、早めに身をほぐすが、天日乾燥では虫類やネコ、カラスが狙うから、量が多い場合には、フライパンで適宜転がすと短時間で仕上がる。
食味の特徴  焼き魚にすることによって「燻製効果」があるから、雑魚が「絶妙な食味」となり、冷蔵庫で保管すると保存もできる。




せごし(かんじょう)
使用する魚  スズメダイ・小さいメバル・タナゴなどの磯魚。
鮮度  鮮度のいい魚ほど食味がいい。
料理方法  鱗と頭、ハラワタ、鰭類を綺麗に取り去って、背骨を切り刻む要領で楯横に骨切り包丁を入れる。絞ったカボスやダイダイ酢、又はお酢に20分程度漬けると漁肉が白濁する。
 カボスやダイダイ酢で作った酢味噌で食する。キュウリが合う。
※ カボスは8月〜11月、橙は12月〜3月までが果汁が多くて風味がいい。
調味料  味噌、カボスやダイダイで酢味噌をつくる。この時季以外はポン酢でもいい。
注意事項  小骨の多い小魚なので「骨切り」は十分に。尚、好みや魚によって、酢漬け時間や酢の量を増減させるがいい。
食味の特徴  小骨が柔らかくなっており、噛めば噛むほど「味と風味が滲み出て」兎に角旨いぞ。



かけ汁(冷や汁)
使用する魚  新鮮な{ベラ}{メバル}{ホゴ}等の磯魚。
鮮度  新鮮なほど味良く仕上がる。
料理方法  焚き火や炭火で焼魚にして身をほぐし、天日干し又はフライパンで水分を飛ばし、冷蔵庫に入れて保管したものを使用する。
 すり鉢内に味噌と前記の焼き魚の身を入れて、冷水を入れて摺りながら薄める。ゴマ・ネギ・シソを刻み込んで完了。
調味料  味噌。
食味の特徴  真夏に多く食する料理であり、盛ったご飯にぶっかけて食すると旨い。特に食欲が減退する夏季に食すると旨くて食が進む。
注意事項  かけ汁は冷蔵庫で冷やしておくがいい。



梅子揚げ(小魚の南蛮風から揚げ)
使用する魚  原料の小魚は、カタクチイワシ、ウルメイワシ、小羽イワシ、小アジ、その他の小魚。※ 川魚でもいいと思うが・・・
鮮度  新鮮な小魚の頭とハラワタを抜いて手早く水洗いする。
料理方法  魚を洗って、塩コショウして15分程置く。カタクリ粉をまぶして160度で「から揚げ」にするが、カラッと揚げるには高温がいい場合がある。
 揚がって熱いうちにタレを掛けて、煎りゴマを振り掛ける。
 少し大きめの魚は一口大に切っておく。
調味料  タレには、醤油1・酢1・酒1・砂糖2の割合で沸騰させてから一味唐辛子を若干振って仕上げる。※ 好みの味付けをするといい。
食味の特徴  これは旨い。魚の匂いも無く、揚げ加減で小骨も気にならない。冷蔵庫で数日は保管が可能です。
イリコを使用の場合
使用する魚  イリコ・チリメン、
鮮度  普通のイリコやチリメン
料理方法  チリメンやイリコは160度で微細な泡が消えるまで手早く揚げる。
※ 頭を取らなくてもいい。後の工程は小魚と同じでいい。
調味料  小魚と同じでいい。タレには、醤油1・酢1・酒1・砂糖2を沸騰させてから一味唐辛子を若干振って仕上げる。
 揚がって熱いうちにタレを掛けて、煎りゴマを振り掛ける。
注意事項  高温で揚げたり、揚げ過ると苦みがでて堅くなるから要注意。
食味の特徴  酒の肴には最適。熱いごはんに乗せて食べても旨く、子供も喜んで食べる。冷蔵庫で数日以上の保管が可能です。



エソのすり身
使用する魚  鮮度のいいエソを使うこと。(家庭によってはタチウオや小アジを混入する。)
料理方法  鱗や内臓は取らずに、そのまま三枚に下ろす。
 皮と身肉の間に包丁の刃を入れ、皮を引く要領で皮を剥ぐ。
 冷水で手早く身肉を綺麗に洗う。
 4〜5pに切って水に10分程度さらす。(生臭みがなくなる。)
 網籠に入れて水気を切った後、調味料の量を決めるために重量を計っておく。夏には、その後1時間程度冷蔵庫で冷却する(チルド室がいい)。
 フードプロセッサにかける。(熱を持たせないよう注意)
卵白  すり鉢に移してスリコギで擂るが、この際、卵白を魚の身500gにつき1個分入れる。卵白がなじむまで擂る。
 次に500g当たり、冷水170ccを入れて馴染むまで時間をかけて擂ると粘りがでる。
※ 温度が上がると質が落ちる(すり身に粘りが無くなる)から、入れる水は冷水を使うこと。氷170gを代用するのも可能。 
調味料  仕上がり前に酒を500g当たり10cc、塩12g、砂糖1g程度を混ぜた調味料を入れて馴染むまで擂って仕上げ、塩水に浸した手で好みの大きさに丸める。
 1時間程度そのまま寝かせておく。(低温の冬は3時間以上)
 好みによってゴボウやニンジンなどの野菜を入れるのもいい。
食味の特徴  好みで油で揚げたり、蒸して美味しく食べられます。添加物の無い高級カマボコであり、上品な味がする。
仕上がり時の色  エソのみの場合は真白く仕上がる。尚、アジやイワシ類の身肉を混入した場合には若干混濁した色合いとなる。
注意事項  温度の高い時には、魚肉の温度が上がると旨い摺り身ができない。



モイカの一夜干し
使用する魚  新鮮なモイカ(アオリイカ) ※ケンサキイカやヤリイカも旨いが、スルメイカは堅くて旨いイカではない。 
漁期と鮮度  秋から冬にかけて漁獲される新鮮なモイカ。
加工方法  腹を裂いて内臓と目玉、薄皮を取り去る。尚、鰭は付いたままでもいいが、鰭をを取ると乾きも早く、綺麗に仕上がる。
 写真のように日当たりと風通しのいい場所にロープを張って吊るし、頭部と腹部を竹串で張っておく。
 日和のいい時は1日〜2日で半乾きの一夜干しに仕上がる。 ※ 大きなモイカは乾きにくい。
 雨天・曇天となった時は冷凍庫で保存して、晴天日に追加干しするといい。
 気温が高い春から初夏のモイカは干しイカにはできない。
調味料  全く使用しない。
仕上がり時の色  順調に乾燥したものは真っ白。冷凍保存しないと酸化して茶色になる。
食味の特徴  炭火で炙って裂きながら醤油やマヨネーズで食する。甘くて軟らかく癖になる食味。
注意事項  天日乾燥中には鳥やネコに要注意。又、暖かい日のハエにも注意。
保管方法  冷凍保存しないと酸化して茶色になる。



くろめ汁
 巻き締めて出荷
使用する海藻  クロメ・・・潮流が速い岩礁地帯の浅瀬で採れる。豊後水道では佐賀関半島先端部と高島、無垢島、保戸島の浅い岩礁地帯。
漁期と鮮度  クロメの新芽が成長する春先が漁期。新芽が発育を始める1月中旬が解禁日なので、柔らかい新芽が獲れる1月・2月が旬となる。
料理方法  鯛など、白身魚の切り身を入れた味噌汁をつくる。
 巻いたクロメをそのままの状態でソーメン状に細く輪切って、椀によそった熱いみそ汁に入れるが、量は卵大程・茶色のクロメは入れた瞬間に綺麗なグリーンに変色してクロメ特有の粘りが出る。
調味料  味噌のみ。
食味の特徴  熱いみそ汁をよそった椀に入れて「かき混ぜる」と、納豆以上の粘りと海藻特有の味と香り・栄養分が楽しめる。
保管方法  丸く筒状に巻いて市販されているが、そのまま冷凍しておくと年間を通して味わえる。尚、冷凍状態で包丁を入れると滑らずに細く切れるから、刻んだものを卵パックなどに小分けして入れ、一椀単位に冷凍保存しておくといい。この場合には、若干風味が落ちるようだ。
追記  食器の中で納豆のように若干「かき混ぜる」と粘りと風味が増して癖になる味となる。



カメノテ&蜷の塩ゆで
使用する魚貝  採りたてのカメノテ。
鮮度  海水の干満範囲内の岩の裂け目に根を張った感じで群生する。採取時に傷付けることは避けられないから、採取後早めに茹でるがいい。
料理方法  水洗い後、海水と同じ程度の塩水で茹でるが、好みによって塩分濃度を変えるがいい。洗ったカメノテを鍋に入れて沸騰後15分程度で炊き上がる。
食べ方  手にとって腰の皮を剥いて食するが、殻の部分は楊枝などで挿し取るがいい。
調味料  食塩又は海水。(海水と同じ程度の塩水)
食味の特徴  エビ、カニの味が濃縮されたような実に美味な味。癖になる味と言っても過言ではない。
注意事項  採取時に傷付いているから、早めに調理すること。



メバルのハラワタ抜き
(アジなどにも併用できる)
 エラフタを指で開いて、包丁先をエラの上下に入れてエラを切り外す。
 丈夫な二本の割り箸を準備して2本に割る。
 一本の箸は、口から入れ⇒⇒魚の右側のエラの外側⇒⇒エラの内側⇒⇒腹の中に入れて奥まで刺す。
 もう一本の箸は魚の左側から同じように挿し込む。
 エラの上下に挿した割り箸二本を思い切りねじって内臓を割り箸に巻き付けながら内臓を引き抜く。



マダコを柔らかく調理するには

(その一)
 マダコは磯辺の浅場で捕獲したり、釣りの外道としても釣れてくる大衆的な食材であり、食べても酢の物などにすると旨い魚?だ。・・・しかし、「下ごしらえ」が未熟だと堅くて食べずらいもの・・・
 新鮮なタコは、粘々とした「ヌメリ」が全身を包んでいるので、先ず、これを取ることが先決・・・内臓を取り去ったタコをスリバチに入れ、荒塩を加えて揉むとを粘々とした「ヌメリ」が取れる。良く洗ってからの次は、このタコに「大根下ろし」を入れて良く揉む・・・揉んだ後で茹でると、風味も残ったまま身肉が柔らかいタコ料理ができる。

(その二)
 新鮮なマダコを生のまま冷凍する・・・凍結したタコを解凍して茹でることで柔らかいタコ料理ができる。しかし、風味が若干落ちるのは致し方ない。
 ※ 茹で上がったタコを冷凍しても、身肉は柔らかくならないから要注意。 ちなみに・・・国内で獲れ、茹でたマダコは赤茶色・・・アフリカからの輸入物は真っ赤ダョ・・・

   (その三)
    新鮮なタコは、粘々とした「ヌメリ」が全身を包んでいるので、先ず、これを取ることが先決・・・内臓を取り去ったタコをスリバチに入れ、荒塩を加えて揉むとを粘々とした「ヌメリ」が取れる。
 揉んだ後で茹でるが、その際、梅干しを加えると柔らかく茹であがる。

※ マダコは茹であがると赤茶色となる・・・魚屋の店先に並ぶ紅いタコは地中海やアフリカで獲れる輸入物。



ナマコを柔らかく調理するには
 冬季に漁獲されるナマコには、アカナマコ&アオナマコがあるが、アカナマコは海藻地帯に住み、色合いと芳香がいい。アオナマコは砂泥地で獲れるが、アカナマコに比較すると安値で取引される。
 通称「古ナマコ」と称される大きな親ナマコは、堅すぎて食感が悪いものだ。このナマコを柔らかく食すには、小切り後に緑茶の中をサッーと「湯通し」するといい。
※ 緑茶のカテキンが作用するとのこと・・・
※ ナマコ料理には橙酢が良く合う・・・当地の料理店ではナマコ料理=橙ダョ・・・



橙 (だいだい)
   橙やカボスは酸が強いだけでなくコクと独特の香りがあり、魚料理には欠かせない。かって、橙は、ふぐ料理やカキ料理・ナマコ料理向きに下関などに高価で出荷していた経歴もある。 
橙(ダイダイ)
    橙色の起源である「橙」は酸味が強くて殺菌力の強い柑橘であり、かって当地で開業していた医者に「橙が熟れると患者がいなくなる」とまで言わせた。
 当地では、お酢が高価であった昭和の中頃までは、農家の庭先には一本の「橙の樹」が必ず植わっており、焼き魚や刺身の調味料や、お酢の代用として重宝されていた。又、昨年の果実と今年の果実が「代々」同居する縁起樹として、庭木としての大きな価値があった。

 カボスは8月には果汁が絞れるようになり、11月末までが旬で、その後が橙の出番となる。橙は11月から使えるが、正月過ぎに収穫しても、強い殺菌力があるから常温でも夏まで果汁を失わずに貯蔵できる。
 橙は、樹上で越冬させた場合には、早春になると果汁が失せるから要注意。

※ 橙は、収穫しなければ、樹上に昨年の果実と今年の青玉が同居する・・・これが、代々栄えるに通じ、除菌作用が強く腐敗しない果実は食酢として使用すれば健康を助長する・・・又、橙樹の種類によっては、蔕(なりつく)部分が盛り上がって梅花の如き台形となるから縁起を呼ぶ。
 ちなみに、当地では正月の鏡餅の上には、この橙が殿と居座った。
※ フグ料理やナマコを食するには欠かせない橙・・・かっては、下関へと高価で出荷された経緯をもつ。
※ 文献によると、橙の原産地はヒマラヤ南麓だそうだョ・・・そう・ダイダイ色の、あのダイダイ・・・


   香母酢 (カボス
 
  香母酢 (カボス)
 カボスは8月には果汁が絞れるようになり、11月末までが旬で、その後が橙の出番となる。最近では、ハウス栽培が盛んで初夏からピンポン玉程の青玉が食卓に顔を見せる。
 カボスは、独特の香りと果汁には味があり、魚との相性が良くて刺身や焼き魚に絞りかけると味は倍増し、醤油無しで味わうことができる。又、焼酎に絞ってカボス焼酎を愛飲する人も多い。

※ カボスは香母酢とも言われ、大分県津久見市に隣接する臼杵市神野付近を原産地とする耐寒性のある柑橘。

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