一本釣り漁師の釣り
こんな所で魚は釣れる
豊後水道で資料収集







餌場でないと魚は釣れない
 それぞれの魚には好む水温と餌がある。
 目的の魚を釣るには、その魚の好む餌が出現する時季とポイントを知ることで大きな釣果を得ることができる。


 餌場は地形と潮流で形成される
 湧昇流は、潮流と合った海底地形の向きで出現する。沈み瀬が、潮流の来る方向に向かってV字型に開いて急峻に立ち上がっていると湧昇流が発生する・・・
 その湧昇流は深い海底から上層まで達してプランクトンを爆発的に発生させ、小魚から大魚に至る食物連鎖が完成する。
尚、湧昇流の湧く時間や規模は、潮流の速さや角度によって微妙に違ってくる。大潮時でも長くても数時間であり、小潮時には全く湧昇流が湧かないポイントもある。
豊後水道では、干満による潮流の向きや速さが変わると湧昇流がなくなり、釣れなくなるポイントも多い。


   沈み瀬が、このような地形であれば湧昇流が湧く
 海中に左2点の写真のような地形があれば中央に湧昇流が湧く・・・右の写真は水深60mよりの湧昇流が海面まで達して波が消えている。

 
   左上二点の写真の中央部をご覧あれ・・・これは、台風直後の岬の写真だが、中央部がV字型に開いて急峻に立ち上がっており、中央に風が集中して潮風となって噴き上がり、草木が枯れている・・・
海中の沈み瀬がこのような地形で、前面から流れ来る潮流があれば中央部に湧昇流が発生してプランクトンが湧く。
右上の写真は、水深60mよりの湧昇流が海面まで達して波が消えている・・・このような湧昇流の中は、大アジや真鯛、ブリなどの一大ポイントと化す。
・・・名人漁師は言った・・・[釣れる範囲は土俵の広さ] だと・・・




   食物連鎖で餌場が形成され、大魚が釣れる
   山野に雨が降ると ⇒⇒⇒ 栄養分の多い雨水は、流れとなって川となり、瀬戸内海へと流れ込む。
 栄養分豊富な瀬戸内海の海水は ⇒⇒⇒ 豊後水道に流下して、日向灘から北上する黒潮の分岐流とぶつかる。
 豊後水道では干満する潮流が一日2往復する ⇒⇒⇒ 強い潮流のピストン運動と複雑な起伏が海水を撹拌する。
 撹拌された海水は植物プランクトンを大発生させる ⇒⇒⇒  植物プランクトンを餌にする動物性プランクトンやアミ類が大発生する。
 動物性プランクトンやアミ類が大発生すると ⇒⇒⇒ 各魚の幼稚魚やイワシ類などが大挙して寄り集まる。
 各魚の幼稚魚やイワシ類などが寄ると ⇒⇒⇒ アジ類やイカ類がこれらを追う。
 アジ類やイカ類が来流すると ⇒⇒⇒ ブリ、ハマチやサワラ、真鯛などの」大魚が食い漁る。
 ブリ、ハマチやサワラ、真鯛などの大魚が寄ると ⇒⇒⇒ 顔に毛の無い二本足の猿が、この魚を釣ることになる。

マアジ(左)と真鯛(右)


 海峡全体が餌場
 漁師の話では、海峡や島礁際は全て好ポイントだと言う。その例では、津軽海峡のマグロ、明石海峡や伊良子水道、音戸の瀬戸の真鯛、豊後水道の速吸海峡では関アジ関サバの他、真鯛やブリ、ハマチ、イサキ、イカ類などが釣れる。
海峡は例外なき超高級魚の好ポイントと言っても過言ではない。
尚、近場の小さな海峡や潮流に動きのある島礁付近も見逃せない好ポイントとなる。
 干満の潮流によって、低い温度の深層水が湧き上がったり、内湾からは栄養分の多い海水を吐き出しながら混ざり合う。プランクトンは猛烈に繁殖して食物連鎖の終盤過程で大魚が釣れることになる。


 漁礁や沈み瀬・沈船は餌場と隠れ家
 漁礁や沈船・沈み瀬付近も見逃せない優良ポイントだ。漁礁や沈船、沈み瀬には潮流によって湧昇流が噴きあがってプランクトンが湧き、これを求めてイワシ類や各魚種の幼稚魚が大量に寄る。真鯛などの大魚はこれらの小魚群を狙い、自分を襲う天敵が来ると漁礁が隠れ家ともなる。
しかし、高低差のない沈み瀬や漁礁では、潮流が極端に速くなると、海水が水平に流れるから湧昇流が失せ、魚影も消えることになる。
魚類は餌が流れて来る潮流に向かって泳ぐ習性を持っている・・・漁礁や沈船、沈み瀬では、常に、その上流側がポイントとなる。


 小魚群の位置は優良ポイン
 プランクトンやアミなどは海の肥料、甲殻類やイワシ類・イカ類、アジ群は海中では海の米に値する。これらを主食とするブリやサワラ、真鯛などは小魚群の多い所に寄る。尚、小魚群はプランクトンを求めて大群となって大海を広範囲に移動するから、これらに附けている大魚も同行して沿岸にも寄ることになる。
※ カタクチイワシやウルメイワシ群が確認できれば、真鯛やハマチ、サワラなど大魚のポイントを見つけたことになる。


 朝夕にはプランクトンが湧くから爆釣タイムとなる
 「朝まずめ」「夕まずめ」になるとプランクトンが表層に浮上してくる。これを知っているイワシ類などや各魚種の幼稚魚が浮上して喰い漁る。
これらのイワシ類や小アジなどを狙ってイカ類の他にブリや鯛類も寄る。
 この朝夕の時間帯は、あらゆる魚の食事時となるが、特に、サワラやタチウオ・エソなどの歯魚はこの時間帯に爆釣されることが多い。尚、朝夕のまずめ時は昼魚と夜魚の交代する時間帯でもある。


 養殖場は餌場であり立体的な漁礁
 魚類や貝類などの養殖場には魚類が多い。撒き餌の「おこぼれ」があるだけでなく、養殖魚や貝類の排泄物はプランクトンを激増させ、プランクトンを餌にするイワシ類などのほか、各種魚の幼稚魚や甲殻類も寄る。尚、これらを餌にする真鯛やアジ・ハマチ・ブリ・チヌなどが寄って来て喰い漁る。
フロートや網、縦横に張られたロープや固定ブロックにはフジツボなども張り付き、クロダイやイシダイ・イシガキダイなどがこれを喰う。
尚、養殖場のイカダや囲い網、ロープなどは日陰を作るから完璧な立体漁礁の役目をすることになる。その上、ロープや固定錨が障害物となって刺し網の操業もままならないから、魚達の安全地帯と言っても過言ではない。
しかし、長年にわたる養殖場では、魚の排泄物や餌の残滓による弊害で漁場が汚染されてしまい、魚影が消えてしまう。

 定置網などの付近には、小魚群が留まるだけでなく網抜けした小魚などを狙って大真鯛やスズキ、モイカなどが屯する。特に、網を寄せて魚を獲り込む時間帯は爆釣タイムと化す・・・

 見逃せないのが、巻き網などの漁師が設置した蓄養生簀などだ。
特にカタクチイワシを蓄養する蓄養網は、死んだり弱ったカタクチイワシが沈下した際に網の底から落とす仕組みとなっている・・・網底が筒状・・・これから抜けるカタクチイワシを狙って大真鯛や大アジ、スズキ、ヒラメ、クロダイなどが屯する。


 川口は餌場
 ジイジの漁場には河川が無く川口での釣りをしないが、懇意にしている漁師の話では川口には魚種が多く、魚影も多いとのこと。特にスズキやウナギの漁獲は多いと聞く。
栄養分の多い淡水と海水が混ざり合うだけでなく、川に遡上する魚や川から流れ下る幼稚魚が、各種の大魚の餌となるようだ。


 灯火下は魚の餌場
 灯火には求光性のあるプランクトンが集まる。小魚や甲殻類、アジなどがこれに寄り、これを狙ってメバルやスズキ等もやって来る。
特に、灯火に寄る習性を持ったマアジやサバ・タチウオ・ケンサキイカ・スルメイカ・シリヤケイカなどは、集魚灯で釣りをすると大きな釣果を得ることができる。


 餌場がない時は餌場を作れ
 小潮時や晴天時にはプランクトンが多く湧かず、食物連鎖の連動が悪くて魚の食いが悪い。このような時には撒き餌をして「人工的な餌場」を作るといい。アミやエビなどの撒き餌をして「魚の採餌スイッチをON」させることだ。
※ 真鯛をエビを撒いて狙う[ふかせ釣り]は典型的な人工的な餌場釣りと言えよう。
※ 撒き餌釣りをするポイントは、狙う魚が多い「自然の餌場付近」でなければ、大きな釣果は期待できない。


 待ち伏せする魚には餌を目前に
 甲殻類や小魚群の多い所には、ヒラメやカサゴ・メバル・アマダイなども多いが、彼らは「待ち伏せ喰い」をする魚だから、これらの魚を多く釣るには魚の目前に餌を持って行くことだ。


   しゅんせつ海域や工事現場には大魚が寄る 
   海底をさらう海砂の採取現場の他に、しゅんせつ海域や築港現場では、海底の土砂に潜むゴカイ類やエビ、シャコなどの甲殻類が大量に泳ぎ出る。これらを狙うクロダイやスズキ、メバル、カサゴなどの好ポイントとなる。尚、潮が動く場所や30mを超すような深さがあれば、大真鯛や中真鯛が寄り集まって、真鯛の一大ポイントが形成される。
又、濁った海水はプランクトンを大増殖させ、イワシ類などが来流するので、イワシ類を追う大魚が寄ることになる。


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