旬の魚 豊後水道  
 
豊後水道にて資料収集



 其々の魚によって、味と脂がのった「最も旨い季節」がある。豊後水道では、この時季を「旬」と言う。
 「旬の魚は海に聞け」と漁師は言う。魚は脂肪分を蓄えておれば旨く、その時が旬と言っても過言ではない。しかし、癖を持った魚は「癖が薄らぐ時季」の考慮が必要となる。
「頭の小さい魚を喰え」と、専門家は言う・・・同じ魚でも、肥満して脂がのっている魚は頭部が小さく見えるからである。
 魚には体温がない。だから、水揚げ後・水温以上の温度では魚の油脂類が溶けてしまい、鮮度の落ちが早くて食味も著しく喪失する。メジャーな魚でなくても鮮度と温度に留意して手早く料理すれば旨いと言える。


魚名 魚の品格など ランク 美味しい旬
アカヤガラ 高級魚であり、漁獲量が多くない。刺身は甘くて絶品。 AA 当地では冬季以外に漁獲がない。
アカアマダイ 高級魚であり、漁獲量が少なく、高級料理店へと流通するから店頭に並ぶことは少ない魚。 AAA 6月〜10月が旬だが冬季も旨い。年間を通して旨い魚。甘鯛と言われるほど甘味のある刺身や塩焼き、汁物は絶品。
アラ 超高級魚で漁獲量は極端に少なく、高級料理店へと流通する。 AAA 年間を通して旨く、出会った時は全て旬。
アワビ 身肉が大きければ、年間を通して味に大きな季節差がない。 AA 年間を通して旨い。
イサキ 白身魚で脂肪分も多く、一定の漁獲量もある。 4月〜7月。梅雨明けまでが旨い。刺身や吸い物、煮物にいい。
イシダイ 高級魚であり、漁獲漁が多くない。1s以下はA。 AA 春が最も脂がのっているが、太いのは「年中旨いぞ」と漁師は言う。
イセエビ エビの代表格。産卵期は禁漁。 AA 年間を通して旨い。刺身やみそ汁など。
イトヨリ 美味で綺麗な魚。白身魚であり真鯛と比較すると鮮度の落ちが若干早い。 AA 晩秋〜正月過ぎが旬。白身で癖の無い甘い味は絶品。4月〜8月も旬だが年間を通して旨い魚。刺身や鍋物、汁物など。
真鯛に比較すると鮮度の落ちは早いが、鮮度がいいと旨い魚。
イラ 癖も無い白身だが、脂肪がなくて身が柔らかい。 特に旬は判明しない。身肉が柔らかく煮物に向く。
イワガキ 夏のイワガキは焼くとうまい。 春から夏に食する。
ウスバハギ カワハギ類では最も旨い。 秋から正月にかけて以外の漁獲はない。刺身がいい。
ウツボ 豊後水道大分県側では食用には供しない。 当地では食に供しないから旬は不明。
ウナギ 天然ウナギは少ない。 AA 当地では佐伯市以外は漁獲量が少ない。好んで食べる夏が旬と言えよう。
ウマズラハギ 肝が大きく。肝料理に向く。 4月〜7月。刺身や鍋物に向く。肝が旨いから肝の太いのが好まれる。
ウルメイワシ 鮮度の落ちが早い。豊後水道には大型のウルメイワシは少ない。 3〜7月。メザシや煮物。
エソ 旨い魚だが小骨が多く、鮮魚として流通しない。 晩秋に漁獲量が多い。特に旬はない。最高級の摺り身の原料魚。
オニオコゼ 超高級魚であり、漁獲漁が極端に少ない。おこぜ料理店向き。 AA 希少な魚なので出会った時は全て旬。毒刺があるから家庭では調理しない。
カサゴ 年間を通して安定的な漁獲量のある白身魚。 AA 身質が良く旨い魚、夏分には若干味が落ちるようだ。から揚げやみそ汁にすると絶品。
カタクチイワシ 鮮度の落ちが早い。イリコやメザシの原料となるイワシ。 1月〜5月や秋が旨い。だが、脂肪分が多い時季のイリコは黄色く酸化しやすい。
カツオ 豊後水道ではソーダガツオ以外の漁獲は殆どない。 ソーダガツオは夏から秋にかけて獲れる。
カナガシラ 海底にいる魚で漁獲量は少ない 水温が低い冬から春が旬。癖のない白身魚なので鍋物や吸い物に向く。
カマス(青) 赤カマスに比較すれば青カマスは鮮度の落ちが早い。一定した漁獲量がある魚。 秋が旬だが、肥えていれば3月〜梅雨明けまでも旨い。秋に多く獲れる。塩焼き、煮物、干物が旨い。
カマス(赤) 秋に多く獲れ、青カマスより旨いので青カマスよりも高価で取り引きされる。一定した漁獲量がある魚。 AA 秋が旬だが、肥えていれば3月〜梅雨明けまでも旨い。鮮度が良ければ刺身にすると旨い。潮焼き、煮物、干物が旨い。
カミナリイカ 豊後水道では紋甲イカと称する。最大2s物も居るが漁獲量は多くない。 11月〜4月以外には獲れない甲イカ。刺身、煮物に向き甲イカ類では最も旨いイカ。
カワハギ 豊後水道ではマルハゲと称する。年間を通して漁獲がある。 5月〜8月と冬季が旬。癖のない食味は鍋物や吸い物に向く。
カンダイ 癖も無く白身だが、身が柔らかく脂肪分は少ない。 特に旬はない。煮物にするといい。
カンパチ ブリよりも高級魚で旨いが、豊後水道では大型魚の漁獲量は少ない。 3月〜8月が旬。ブリは刺身の色が変わるが、カンパチは変色しない。
キス 豊後水道での水揚げ量な少ない。 4月〜7月。白身魚で淡白、汁物や揚げものがいい。
クエ 滅多に釣れない超高級魚であり、漁獲漁が極端に少ない。 AAA 希少な魚なので出会った時は全て旬。
グチ 白身魚であるが、生食用としての取り引きは少ない。 春が旬。カマボコやチクワの原料として重宝される魚。
ケンサキイカ 豊後水道では夏に漁獲量が多いイカ。 AA 梅雨明け〜寒明けまで。刺身に向く。煮ても身が硬くならない。
キビナゴ 鮮度の落ちやすいイワシ類では、唯一、日持ちするのがキビナゴ。 3月〜6月が旬。寒の内も旨いが冬の漁獲量は少ない。脂分の少ないイワシだが、刺身や煮物にするといい。
コノシロ 小骨が多く嫌われる魚。 当地での漁獲量は少ないが、旬は秋から冬。焼き魚に向く。
コブイカ スミイカと称される程に墨が多いイカ。海底の砂地に居る。 12〜3月のみ漁獲される甲イカ。刺身は旨い。煮ても身が硬くならない。
サザエ 藻場に居る巻貝。年間を通して味に大きな季節差がない。 身肉が多いと旨い。刺身やつぼ焼きが旨いが大きいのは若干堅い。
マサバ 鮮度の落ちが早い。関サバは絶品AAA。 AA 9〜1月。特に晩秋のサバは最高。
サワラ 当地では秋季に多く獲れる。 寒ザワラと呼ばれる10月〜2月が旬であるが、夏のサワラは「猫またぎ」と呼ばれるほど旨くはない。身は柔らかいが癖はない。刺身も旨い。
シリヤケイカ 真鯛やブリ釣りの餌に最適。豊後水道では食用に供しない。 秋から春に獲れるが旨くはない。釣り餌に使用するが食用にはしない、
シロアマダイ 超高級魚であり、幻と言われる位に漁獲漁は少ない AAA 良質の脂肪分と甘い肉質を持ち、アカアマダイの比ではない程の食味。出会った時は全て旬だが、冬季には尚多くの脂を蓄えており特に旨い。
シマアジ アジ類では最も旨い。 AA 年間を通して旨いき、 アジ類では最も旨い魚。刺身、煮物など。
スルメイカ 旨いイカではない。真鯛やブリ釣りの餌には最適。 旨いイカではない。※ 当地の漁師は食用にはしない。
スズメダイ 藻場に小群で居る小魚。 夏には脂がのっていて焼き魚にすると絶品だが、小骨が鋭いから要注意。
タチウオ 曳き釣りや網で獲る。太い程高価。 AA 真夏以外が旬。太いほど脂肪分が多く、鮮度が良ければ刺身が旨い。焼き魚に向く。
チヌ 真鯛に比べると旨くない。豊後水道の一本釣り漁師は狙わない。 4月〜6月。煮物にする程度。
チダイ 真鯛に類似した白身で癖のない食味だが旬が違う。 10月〜11月。※ 肥満しておれば何時でも旨い魚。
ナマコ(赤) 岩礁域に居るナマコ。料理した際の色合いが良く味もいい。 AA 青ナマコより香りがいい。冬季以外に漁獲はない。
ナマコ(青) 砂地に居るナマコ。料理した際、味はいいが色合いが劣る。 冬季以外に漁獲はない。
ナマコ(黒) 色を嫌って敬遠されて商品価値はない。 冬季以外に漁獲はない。食用になるが調理前に黒い表皮を除外すること。
ニベ 身は柔らかいが癖はない。沖合いの漁礁や沈み瀬でブリなどを狙っていると混漁される。最大30s物もいる。 白身で癖はないが脂肪分は少ない。夏から秋に獲れるが特に旬はない。刺身、焼き魚他。
ハモ 小骨が多くプロの料理人向きの魚。「はえ縄漁」で獲る。 4月〜9月に多く来流する。汁物がいい。
ヒラメ 豊後水道では、夏から晩秋にかけての漁獲は少ない。 AA 冬〜春にかけてが旬。白身魚であり、刺身や煮物にすると絶品。エンガワあり。
ヒラマサ ブリよりも高級魚だが、豊後水道での漁獲は少ない。 AA 肥満しておれば年中何時でも旨い。刺身の色も変わらない。
ヒラスズキ 汽水域を好むスズキと違い、塩水濃度の高い藻場に多い。 春から盛夏が旬。白身魚、マルスズキよりも旨い。刺身、焼き魚他。
ブリ イカや小魚群を追って大群で回遊する。 10月〜3月だが、肥満したものは夏でも旨い。煮物、刺身、照り焼き他。
ヘダイ 新鮮なうちに料理すると旨いが、鮮度が落ちやすい魚。 秋が旨いと漁師は言う。塩焼きやバター焼き、から揚げに適する。
ベラ 藻場に居て、漁師は漁獲対象にしない魚。 特に旬はない。鱗も大きくて若干磯臭いが、焼き魚にすると味はいい。
ホウボウ 海底の砂地に居る。太いのは1sクラスとなる。 水温が低い冬から春が旬。癖のない食味。白身魚なので吸い物に向く。
ボラ 安価な魚なので、漁師は漁獲対象にしない魚。 秋〜早春。独特の癖と匂いがある。水温が上がるとボラ独特の匂いが増す。沖合いの寒ボラは良質のプランクトンを喰うから刺身も旨い。
マアジ 群で居る魚。巻き網や一本釣りで獲る。 AA 3〜4月・7月〜11月。産卵期の初夏と冬季には味が若干落ちる。刺身、焼き魚、煮物他。釣った大きな関アジは絶品AAA。
マイワシ 鮮度の落ちが早い。鮮度があれば刺身が旨い。焼き魚、煮物他。 6〜9月。11〜2月の低温期も旨い。
マアナゴ 比較的浅い砂地に潜む夜行性の魚。籠罠やはえ縄で獲る。 AA 初夏〜盆頃までが最も旨い。かばやきがいい。ウナギより一寸淡白??
マグロ 近年、豊後水道ではマグロの漁獲は幼魚のみ。、 マグロ漁船員の話では水温が上がると脂肪分が減ると言う。
マゴチ 夏に多く来流する魚。「照りゴチ」と漁師は言う。 4月〜7月。白身魚であり、刺身やチリ鍋にすると絶品。
マダイ 色姿が良く白身魚、 AA 盆前と正月前後が最も旨い。※ 2〜3sで肥えた真鯛は年間を通して絶品。刺身や焼き魚など、多くの。
マダコ 年間を通して味に大きな季節差がない。 年中味に大差はないが、「寒ダコ」が旨いと言う漁師も多い。
マトウダイ 肝が大きく。肝料理に向く。刺身、煮物に向く。冬季はA 冬季が旨い。夏のマトウダイは旨くない。
マハタ 超高級魚であり、漁獲漁も極く少ない。 AAA 出会った時は全て旬。
マルアジ 鮮度の落ちが早い。 秋から冬にかけて脂が乗る。マアジよりも食味は落ちる。
マルスズキ 白身魚、刺身、焼き魚他。 4月〜8月。※ ヒラスズキの方が上位魚であり好まれる。
ミズイカ 甘くて刺身に向く。一夜干しの干物は絶品。真夏の水揚げはゼロ。 AA 初秋〜正月頃まで。
メジナ 冬季のメジナは煮物にすると旨いが、少し癖のある魚。 晩秋から寒の内が癖もなくて脂がのっている。
メバル 白身魚であり、煮物にすると絶品。骨が鋭いから食べる際要注意。 AA 正月〜盆までが最も旨いが、年間を通して旨い魚。
ヤリイカ 刺身に向く。一夜干しの干物は絶品。 AA 春〜盆過ぎまでと寒の内が旬。

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