一本釣り名人漁師の仕掛け 
モイカの釣り方
モイカ(アオリイカ)

豊後水道西部にて資料収集
友人・浜野君の描いたモイカ


概要  アオリイカが正式な名称だが、沿岸部の藻場付近に多いから豊後水道では{モイカ}と称する。モイカは晩春から初夏にかけて藻場に産卵し、秋9月下旬には疑似餌の餌木を追う程に成長する。晩秋には1s物も散見される程に成長するが、水温が低下する正月過ぎには、動きが緩慢となり餌木での釣果は今一つ、尚、アジなどを掛けての「活き餌釣り」でやると釣果があがる。

 モイカはイカ類では最も賢くて警戒心が強く、ブリ類や真鯛・エソ・サワラ・ヒラメ・アラなどの天敵が多い昼間には、海底近くの藻場などで保護色となっているが、夕暮れになると浮上して採餌活動をする。しかし、完全に暗くなると釣れなくなるから、闇夜に行動できる夜行性ではないようだ。


 越冬したモイカは親イカと呼ばれ、大きな母体は2sクラスのも居る。
 晩春から初夏にかけて藻場に寄って海藻に産卵して、僅か1年で一生を終える。
 梅雨の頃に孵化した幼イカは、浅い藻場で甲殻類や小魚を食して成長し、秋9月下旬には疑似餌の餌木を追う程に成長する。
 モイカの成長は早く、11月になると1sクラスに成長した個体も散見されるようになる。

 餌木釣りでは、正月過ぎまでは釣果が期待できるが、海水温度が低下する1月中旬頃には、餌を追う動きが緩慢となり、疑似餌である餌木での釣果は期待できない。
 尚、冬季でも、活き餌で狙う釣り方だと釣果はある。

 左の写真をご覧あれ、9月中旬、浅場で群れ育つ10cm程の幼モイカ・・・警戒色に黒く変色した姿をパチリ1枚・・・



釣り方  釣り方には大きく分けて、疑似餌での「餌木釣り」と、活きアジなどを掛けての「活き餌掛け釣り」がある。
 ※ 弱った魚や死んだ魚には見向きもしない。

 餌木で釣れる時間帯は、東の空が白む「日の出前より日の出まで」と、「太陽が落ちる時間帯より暗くなるまで」であるが、月夜であれば「月の出から月の入り」までの時間帯に餌を追う。尚、一定の明るさが必要なので、「旧暦10日頃から旧暦22日まで」の月夜が狙い目だ。しかし、雲の多い曇天日は明るさが不足するからこの限りではない。
日中のモイカは、仕掛けを警戒する上に、天敵の多いポイントでは、保護色となって海底付近や沿岸の藻場に隠れており、餌木での釣果は今一歩。

 アジなどを掛けての「活き餌釣り」では、闇夜でも堤防などの灯火下では釣果があり、明るくない三日月の夜でも若干の釣果は上がる。又、天敵魚が少ない入り江や堤防では日中でも餌を追うから一定の釣果はあるものだ。尚、モイカは、弱って泳ぎの悪い小魚や死んだ餌には振り向かない。


 船でのモイカ・昼夜餌木釣りの基本
[モイカ・昼夜餌木釣り]
(豊後水道・津久見市F港 M・N仕掛け)
基本は、竿先から餌木までの間に「伸び」があってはならない。その為には、伸びのあるテグス類は使用せず、Pラインやパラゴンなどの細い糸を使うことだ。
シャクッタ直後にスッテを頭から沈下させることが大事だ。この為にはハリスを短くし、ハリス近くのビシヤマを重くすることだ。
ビシヤマのビシはスッテ近くを重くするがいい。ビシ間隔を25cmにして極小鉛を打ったもの6〜8尋を使用。
テグスにビシを打ったものではテグスに伸縮があるから使用しない。細くて海水の抵抗の少ない釣り糸がいいが、絡みにくいメーカーの品を選ぶことだ。
パラゴンヤマの8号〜10号も使用価値がある。この場合は、1m間隔で特大割り鉛を8個〜10個打つといい。
水深による仕掛けの長短は、船元の元テグスの長さで調節する。
ビシが太いと、糸のループ内にビシが入り込んで縺れるだけでなく、投入する際にはビシが跳ね返って「手を叩き」痛いものだ。これを防ぐ為、小ビシを使用して末端近くだけに太いビシを付け足すがいい。
17〜18mポイント用は、ハリス共に総計13尋がいい。
23〜30mポイント用は、元テグス5尋+ビシテグス10尋+ハリス1.5尋、合計17尋(25m)程度。
ポイントが浅い場合は元ヤマを短くして対処する。
ビシヤマは、細い程抵抗は無いが縺れ易いのが難点だ。
1.2m程度の短いモイカ竿が使い易い。※ 長い竿は「テコの原理」で重くて腕が疲れる。
8号元ヤマ、5号ハリスを基本にするといい。縺れる場合はハリスを6号にするといい。
ハリスは5〜6号を1.5尋〜2尋程度。これ以上長くしないことだ。
スッテは3.5〜4寸。錘の鉛部分を軽くしてスッテを浮遊させるとモイカを誘う。
素曳合わせた際、スッテを静止させる為に、ヒレ手羽元に短いテグス数本を左右に均等に出すといい。


[モイカ・昼夜餌木釣り][太ビシ仕上げ全長20m水深17m〜20m用(13尋)]
(豊後水道・津久見市F港 M・N仕掛け)
船際3尋(4.5m)の8号元糸にはビシは打たない。その下、ハリスまでの8号ヤマにビシを打つ。裾ビシ3.5mには半矢引き(60cm)間隔に特大ビシ6個、その上9mには大ビシ18個を50cm間隔に均等に打つ。
ハリスは6号を2尋(3m)。
{モイカ}は「刺し網」を嫌うものだ。特に、網を巻き上げ始めると{モイカ}は散る。


[モイカ・昼夜餌木釣り]
(豊後水道・津久見市A漁港 T仕掛け)
10月下旬頃には一時的にモイカは少なくなるように思える。この時のモイカはアラメや藻の無い15mを越すポイントでは釣れない。
夜の{モイカ}は10m以内の浅場の藻際に居る。5mの浅場でも釣れる。
元糸にはPライン10尋+ハリス1.5〜2尋、合計12尋(18m)。
ビシヤマのPラインのビシはX。上部のテグスにはX、ハリスは6号を1尋〜1.5尋。
スッテは3.5〜4寸。
モイカは、同一ポイントで数匹釣れると食いが止ってしまうから、速やかにポイントを替えることだ。数箇所を釣り回して釣果を上げる。


[モイカ・餌木釣り]
(豊後水道・津久見市T漁港 S丸)
モイカ竿を使用して、藻際を曳く。
ハリスを、通し(手元よりスッテまで全て)で16尋(24m)だけ使用。
夜には{モイカ}が浮上するから藻際付近を浅く漕ぐといい。
水深3尋(4.5m)程度で入れ食いする。
素テグスなので、釣れたポイントに素早く投げて再投入することができる。


[モイカ・夜餌木釣り]
(豊後水道・津久見市AR漁港 M名人)
モイカ竿を使用して、藻際を曳く。
5号通し(手元よりスッテまで全て)ハリス使用。全長8尋(12m)。深いポイントでは12尋(18m)を使用。
スッテの前方2〜3尋(3m〜4.5m)に6号鉛を1個付けておく。
鉛が先に着底するから、直ちに船を動かすと根掛かりしない。


[モイカ・夜餌木釣り]
(豊後水道・津久見市AR漁港 M名人)
4号通し(手元よりスッテまで全て)ハリス使用。全長18尋(27m)。
細く長い仕掛けで底を釣ることだ。
スッテの前方2〜3尋(3〜4.5m)に6号鉛を1個付けておく。
鉛が先に着底するから、直ちに船を動かすと根掛かりしない。
昼は瀬の付近で深く釣れば、日中でも入れ食いする。
立て釣り状態でいい。
潮は、引き潮〜干立ちの時間帯には間違いなく釣れる。


[モイカ・夜餌木釣り]
(豊後水道・津久見市O漁港 H丸)

夜の{モイカ}は浅く浮いているから深い位置を漕がないことだ。
近場仕様は、全長12尋(18m)、ハリス6号2尋使用。12〜13m付近を漕ぐといい。
保戸島裏クロハエ、高浜仕様は、全長13尋(20m)、ハリス6号2尋使用。
高井島のポイントは深いので全長15尋(22.5m)仕様、ハリス6号2尋使用。
スッテには使用前に瞬間接着剤を点滴しておくと墨で汚れることもなく、食い破られることもない。
スッテは4号又は4.5号を使用する。シャクッタ際、上に跳ねて直ぐに沈下するのがいい。


[モイカ・餌木曳き釣り]
(豊後水道・津久見市H漁港 G丸仕掛け)
夜の{モイカ}は浅く浮いているので深く漕がないことだ。
仕様は、全長15尋(22.5m)、ハリス6号2尋使用。
ビシテグスは小鉛を20個程。
曳き釣りに使用する竿は、手釣りの竿よりも穂先を太くしておく。
曳き釣りスッテは素塗り4.5号を使用する。スッテには使用前に瞬間接着剤を点滴しておくと墨で汚れることもなく、食い破られることもない。
船の左右に各1本出してスローで藻場付近を漕ぐといい。竿出しには船の左右にパイプを固定しておき、これにモイカ竿を挿しておき、モイカが乗ったならば手に取って糸を手繰る。
干潮時には藻場に近い数mの浅場に揚がるものだ。速いスピードでも食ってくる。


[モイカ・餌木曳き釣り]
(豊後水道・津久見市OU漁港 K丸)
夜の{モイカ}は浅く浮いているから深くを漕がないことだ。
仕様は、全長10尋(15m)、ハリスx号x尋使用。
ビシテグスはx鉛をxx個程。
曳き釣りに使用する竿は、手釣りの竿よりも穂先を太くしておく。
曳き釣りスッテは4号程度を使用する。
モイカ竿仕掛けを1本出してスローで藻場付近の12m水深を低速で漕ぐといい。
干潮時には藻場に近い数mの浅場に揚がるものだ。速いスピードでも食ってくる。


[モイカ・昼夜餌木釣り]
(豊後水道・津久見市OU漁港 K丸)
保戸島裏クロハエ仕様は、15尋(23m)仕掛けで23m付近での立て釣り。
スッテは4号又は4.5号の日南型を使用する。シャクッタ際、上に跳ねて直ぐに沈下する重いスッテがいい。
12月には、この付近のモイカは太く1s物が並だ。


[モイカ・餌木昼釣り・沈み瀬周辺]
(豊後水道・津久見市T漁港 K名人)
12号テグスに1尋半間隔で割ビシを打ったビシテグスを使用。
仕掛け全長14尋(21m)、ハリスは5号2尋(3m)、水深23mまで立て釣りで可能だ。
日中でも深い瀬際で昼釣りすると大モイカが良く釣れる。
仕掛けは、その水深に合わせたものを使用する。
9月下旬より釣れ始める。


[水の子島での・餌木モイカ昼釣り]
(豊後水道・津久見市H漁港 YK名人)
12年12月1日に大漁。 1.5s物〜2.5s物 == 大半が2s物以上の大モイカ。
イサキや真鯛ポイントから磯の浅場にかけてモイカが居る。
ハリスは5号から7号程度で良く、8号以上の必用はない。
胴付き仕掛けに浮きスッテ3本。枝は長いと絡むから10cm程度にする。
枝間は1尋程度でいいが、もっと間隔を空けてもいい。サルカンは付けない。
錘間は100cmとし、時々底を取りながら潮流に乗せて、そのまま流すといい。
日中に釣れるが、曇天であれば尚食いがいい。
食いの悪い時には、専用仕掛けにアジ等の活餌を附けて釣るのもいい。


 
[養殖場の・餌木でのモイカ釣り]水深45mから50m。
(豊後水道・津久見市H漁港 YK名人)
日中の釣りなので、船をイカダに固定して海底近くを攻める。
この為には、50mに対応できるリールと竿を使用するがいい。
竿は2本出して、左右の竿を時々交互にシャクルがいい。
軽い錘を鋳込んだ片天を使用し、ハリスは5号〜7号2尋(3m)とする。
餌木は一本とし、海底を少しばかり切ってシャクリを繰り返す。
潮が良くなると1sクラスのモイカが入れ食いすることもある。


 
[モイカ・昼夜餌木曳き釣り]
(豊後水道・津久見市F漁港 M名人仕掛け)
ビシテグスのハリスは7号?スッテ近くのハリスは1尋程度。
ビシテグス15尋(23m)+ハリス1尋(1.5m)、合計16尋が基本。水深により、これに矢引き間隔に特大ビシを打ったハリスを加える?
ビシテグスのビシは水面の位置から1尋〜2尋?間隔で大大鉛。(特大ビシまで)
スッテ近くのビシは特大鉛を小矢引き間隔に数個使用。
スッテは3.5寸。
素曳いた際、スッテを静止させる為に、ヒレ手羽元に短いテグス数本を左右に出すといい。
陽が揚がっても釣れる。概、晴天時でも9時頃までは食い付く。
月夜は、旧暦22日迄は確実に釣れるが、23日も晴天など好条件であれば釣れる。


[モイカ・昼夜餌木曳き釣り]
(豊後水道・津久見市F漁港 M名人仕掛け)
ビシテグス13尋 + ハリス4尋、合計17尋。
ビシテグスのビシは特大〜大大15個使用。
スッテは3.5寸。
そ曳いた際、直ちに静止させる為に、ヒレ手羽元に短いテグス数本を左右に出すといい。


[モイカ・昼餌木曳き釣り]
(豊後水道・津久見市F漁港 IT漁師)
1尋間隔に特大サイズの割り鉛を付けた5号のビシテグスを使用する。
ハリスは、ヨリトリ下にビシテグスより1号落しの4号を2尋。
各ポイントに長さを合わせた仕掛けで釣る。18尋、20尋、22尋等。
別に、モイカ竿に元糸を巻いておいて適宜長さを調節しながら釣る場合もある。
ポイントは30〜35m程度の深場の瀬がいい。時には40m水深でもやる。深場では陽が揚がっても釣れるものだ。
4.5号以上の餌木を使用し、着低を確認しながら立て釣り方式で釣る。
瀬の潮上にも居るが、魚とは違ってモイカは潮下に多い。潮流が払う場合は瀬に添って船を流すがいい。
時には中層まで浮上して釣れることがある。
深場では{モイカ}の当りは鮮明に来るものだ。


[モイカ・昼餌木曳き釣り]
(豊後水道・津久見市F漁港 YS名人)
ビシテグスは、6号テグスの通しに小小鉛を30cm程の間隔で打つ。ビシが小さいから手捌きがいい。
ビシテグスの基本の長さは17mとし、深いポイントを攻める時には、あらかじめ準備しておいたビシテグスをフック掛けで足す。
仕掛けは、基本的に水深の長さでいい。
ヨリトリを付けて、ハリス1尋(1.5m)〜1.5尋(2.3m)出してスッテを付ける。
スッテは4寸程度の重いもの。
沈み瀬付近において、電探で小魚群を捜してその位置で釣ることだ。{モイカ}は小魚に付けている。
瀬落ちの25m付近がポイント。潮流が速い時ほど食いがいい。
大モイカは、昼間は30〜35mの瀬落ち付近に居るが、月夜には22mの瀬頭上に移動して浮いて居る。23mの仕掛けで立て釣りすると大モイカが釣れる。
尚、日中でも、旧暦13日頃からの満ち潮時にやると、いい釣果がある。


[モイカ・活きアジ掛け昼釣り]
(豊後水道・津久見市Yo漁港S名人)

モイカは賢く仕掛けを見るから、太陽が揚がって海中が明るくなると浅場では疑似餌の餌木を追わなくなる。
太陽が揚がると藻際から沖合30m台以上の低層に移動する。このようなポイントのモイカは、活餌を掛けた仕掛けで小魚群が居る海底すれすれを狙う。
竿は使用せず、ビシテグスの手釣りでやるが、ビシテグスは12号〜14号程度のヒラメ釣りに使用する太さでいい。
ハリスは、頻繁に喰いをみせるブリやヒラメに対応する為に8号を使用する。
錘が根掛りした時に、錘近くのハリスが切れるように、錘間ハリスは4号程度と細くして50cmとする。この50cmの位置に下サルカンを付けて8号ハリスを1m程。上ハリスとの繋ぎ位置にも上サルカンを付ける。
このサルカンの間の8号ハリス1mには、移動パイプ付きのサルカンを入れて市販の傘鈎仕掛けを取り付ける。 移動浮き用の通し部材でもいい。
チは長く出さず、アジ鼻掛け用の鈎を付ける。
鼻掛け鈎には、ブリやヒラメに対応する為に伊勢アマ14号を使用する。
チの材質は太いPラインがいい。テグスやナイロン糸ではエソ等が食い付くと切れてしまう。
最新のマグロ縄糸を解いて「チ」に使用すると切れることはない。
下サルカン下のハリス10〜20cmの位置に、モイカが掛かる傘鈎を付けるが、餌アジの長さを考慮する。
沈み瀬付近において、電探で小魚群を捜して、その位置で釣ることだ。
餌木で釣れなくなる正月前からが良く、山桜の咲く頃までがいい。
{コブイカ}{キンコウイカ}も釣れるが、ヒラメやハマチ・ブリ・マトウダイも良く釣れる。


モイカ・[活きアジ掛け夜釣り]
(豊後水道・津久見市F漁港 M・N)
夜の{モイカ}は浅場に揚がるから10〜20m付近で釣れるが、昼間は30〜50mの沈み瀬や漁礁などに移動する{大モイカ}狙いの仕掛け。
ビシテグスやハリスは伸びの無いないものを使用する。伸縮があると「合せ」が効かないからだ。
枝は1本だけとし、ハリスの絡みを防ぐ為に片天秤を使用する。ハリスの長さは1尋半(2.3m)程で良く、太さは5号程度でいいが、縺れるようだと太くする。
仕掛けは「跳ね上げ式」を使う。モイカがアジを抱いて「曳く」と針金が跳ね上がって末端に附いている傘鈎がモイカを襲う。
錘は重いのがいい。モイカが曳いた際、ハリス元に抵抗がないと跳ね上がりが無いからだ。
アジは大き目で活きのいいものを使用し、アジの背中に鈎を掛けて自由に泳ぐようにする。尚、モイカは、アジの後頭部付近の首筋を狙うから、この位置に鈎は掛けない。
着低後2〜3尋ほど持ち上げて食いを待つ。



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