一本釣り漁師の真鯛釣り
イワシ鯛釣り
[サビキにイワシを食わせての大真鯛・ブリ釣り] 
豊後水道西部で資料を収集

詳細な仕掛けは[イワシ鯛釣り仕掛け]のページをご覧ください。



概要
 真鯛は、動物性の餌であれば何でも食うと言っても過言ではない。「エビで鯛を釣る」の言葉があるように、エビやシャコ等の甲殻類を最も好むが、これに劣らずイカ類も大好物だ。又、カタクチイワシやイカナゴ、ウルメイワシ等のイワシ類の他に小魚も好んで食する。
 潮流が速く、50mを越すような深い海底にある沈み瀬や漁礁付近に、これらの小魚群が近付くと、真鯛の他、ブリ、ハマチ、ヒラメ等の大魚は驚くほど迅速に、この小魚群に附けて食い漁る。

 真鯛やハマチが、小魚のカタクチイワシやウルメイワシ群等に餌附いた時には、先ず、サビキに、これらの小魚を食わせ、さらに、その小魚に直接真鯛やハマチ等の大魚を食わせる釣り方が最も効率がいい。
真鯛やブリ、ハマチの他にサワラ・大アジ・カンパチ・ヒラマサ・スズキやヒラメ等も附けているから、このような高級魚も混獲される。又、漁師に嫌われるマトウダイや太刀魚・エソなども多く混漁される。
※ 豊後水道の一本釣り漁師は、この「食わせ釣り」の漁法を「いわし鯛釣り」又は「食わせ釣り」と称する。

 高精度の電波探知機が普及した現代、小魚の探索が容易となり、一本釣り漁師は短時間に多くの真鯛やブリ・ハマチ・ヒラメ等高級大魚の漁獲が得られるので、小魚群が来流した際、最も多用する近代一本釣り漁法である。

 当地方には、常時、カタクチイワシ・ウルメイワシ等の小魚群が居るが、プランクトンや天敵魚の増減や動向によって、小魚群の種類や規模、大きさ、居附く期間も違ってくる。 一方、毎年、年中行事の如く季節的に大量に回遊して来る小魚群もある。
このような小魚群が来流すれば、真鯛やハマチ等の大魚は簡抜をいれず、これらの小魚群を察知してやって来るから、その都度、「食わせ鯛釣り」が可能となる。
尚、イワシ類の群には、これらを餌にするイカ類も多くやって来る・・・中真鯛や大真鯛、ブリ、ハマチはイカ類も大好物であり、スルメイカ・ケンサキイカ・シリヤケイカ・コブイカ等の群が流来すると、これらのイカ類を好んで食するから、大人の真鯛の主食かも知れない。
イカ類に附けた大真鯛やブリを釣るには、胴付き仕掛けに活きたイカを掛けて狙うと好釣果が得られること請け合い。


食サイクルについて
 豊後水道中央部の真鯛やハマチの行動は、餌となる小魚群やイカ類の動きと甲殻類の大発生等の状況により、それらに附けて移動するだけでなく、イルカや赤潮などの天敵に追われて頻繁に居場所を替えることになる。漁師は、この習性を知り尽くしており、一本釣りをする際には大魚の習性を利用して出漁する。
特にイルカの動向には目が離せない。これは、プランクトンや甲殻類が大発生すると、カタクチイワシやウルメイワシなどの小魚の大群がこれに附ける。さらに、アジ類やイサキ・イカ類の群れがこれに寄り、小魚類やイカ類が大好物のハマチや大真鯛などが寄ることになる。
 イルカは、この近海では食物連鎖の頂上的存在であり、これら全ての魚を食するので、独特の察知能力でこれらの集群をキャッチして数十頭から数百もの大群でやって来る。イルカ達は餌となる魚類やイカ類が霧散するまで長期間にわたり豪快に遊泳する。
 漁師は、この食サイクルによる、一本釣り対象魚の動向を敏感に先取りして漁をする。豊後水道本流域に位置する無垢島、高島周辺で数日間にわたり、イルカの大群が回遊するような状態であれば、四浦半島の内海沿岸部には、この、イルカ群を警戒して逃避したイワシ群やアジ類だけでなく、ハマチ・大真鯛などが大挙して避難して来ることがある。 漁師はこの状態を「大魚食い」又は「イルカ食い」、「イルカ回し」と表現する。

 イワシ類を狙うカモメやウミネコ・アジサシ等の水鳥が「弧を画いて乱舞する時も」ハマチや真鯛が多いと思った方がいい。小魚の大群が居て、この小魚群を餌とするハマチ等の大型魚が海面まで追い上げて盛んに食しているからである。この位置が沈み瀬や漁礁近くであれば、必ず、この下層には真鯛やブリ、ハマチが群れている。しかし、魚類の養殖場や巻き網船団の蓄養筏付近で乱舞する水鳥は例外であり、このカモメ等は生け簀内の小魚や養殖用の撒き餌を狙っている。
 電波探知機の無かった一昔前、ベテラン漁師が、漁礁や沈み瀬を見回って「しなぎ」と呼ばれる、小魚が吐き出す(小さな泡)の放列の多さや並び具合、太さなどを診て、魚種や魚体を特定し、その群の大小を見極めて巻網漁や一本釣り漁をしていた。その技術は、まさに神がかりであった。

カタクチイワシは大真鯛、中真鯛の大好物

 「イワシ鯛釣り」は大真鯛、中真鯛狙いの釣り


餌となる小魚の動きカタクチイワシ群の動き
 この「食わせ真鯛釣り」の場合、サビキに鈎掛かりする「カタクチイワシ群」と「ウルメイワシ群」の動向が釣果を左右する。
特に、カタクチイワシやウルメイワシ群の動きを知ることが、この「食わせ真鯛釣り」の基本なので、当地方に於ける、これら、小魚群の一年を通した周期的な動きを一本釣り漁師の経験や巻網漁の漁師の話を聞いて調査し、整理したものが下記の資料となった。

 カタクチイワシとは、いりこの原料となる小魚であり、当地方ではコイワシと称する。巻網漁師が、シロクチ・クロクチと呼ぶ二種類のカタクチイワシがあるようだ。
カタクチイワシの産卵地は定かでないが、過去にはカタクチイワシやウルメイワシ・マイワシの稚魚である「しらす」が大量に来流して漁獲されていたから、近海でも産卵するものと思われる。
外洋から来流する黒口カタクチイワシは、少しばかり頭でっかちの体型をしており、年間を通しての来流が多い。このクロクチのカタクチイワシが成長すると、背中が黒いのでセグロと呼ばれる。
当地方で漁獲される黒口カタクチイワシは、大きくても15cmのメザシ程度であるが、プランクトンの多い大海のセグロは20㎝近くまで成長すると聞く。
 当地に、イワシ類の幼魚であるシラスが多く来流する時季は、初夏の麦の熟れる頃と、秋の彼岸頃の年に二回の大きなピークがあるようだ。

 秋の彼岸頃、漁師が{ニガ潮}と呼ぶ、黒潮風のプランクトンが湧く、このプランクトンの大発生に併せてカタクチイワシの中羽、大羽群がやって来る。又、初秋の白菜や大根が発芽時期にもシラスが多い。このシラスは白口カタクチイワシの稚魚であり、急速に成長してカエリと称されるようになり「青菜コイワシ」とも呼ばれる。11月には、シラスも中羽に成長して、最も上質なイリコの原料となる。
 
 シラスやカエリなどは幼魚なので、サビキに食い付かず、これらを食わせての真鯛釣りはできない。シラスやカエリなどの群には800g~2㎏クラスの中真鯛や関アジクラスの大アジが附けているから[エバ鯛釣り仕掛け]で狙うと好釣果が得られる。
 仕掛けは、魚皮で枝数が数本~10本程度のサビキを造り、シラスやカエリなどの群の中に仕掛けを投入して、「エバ鯛釣り」の要領で「手繰り揚げ・落とし込み」をするがいい。30m程の浅い水深でも中真鯛や大アジなどが釣れるが、本来の真鯛やアジポイントの近くであれば、チダイを含めた想像以上のいい釣果が得られる。尚、キビナゴの幼魚群にも中真鯛や大アジが附ける。
※  [エバ鯛釣り]の項を参考にされたい。
アミやプランクトンが海の肥料的存在であれば、カタクチイワシ、ウルメイワシ、キビナゴなどの小魚は海中の米であり、これらの来流に会わせてアジや真鯛・ブリ・ハマチ・サバなどが、何処からともなく大挙してやってくる。



寒ゴイワシ
 黒口のカタクチイワシであり、酷寒の頃に瀬戸内海より濃密な大群となって豊後水道を南下して日向灘に到る。その群の規模や来流時季には例年大きな「ずれ」はないようだ。個体の大きさは、年により若干異なり、その体長は8~9cm程度から大きくても12cmくらいであるが、産卵群であるか否かは判らない。
 先ず、正月前に別府湾の高崎山下の深場に表れ、⇒⇒⇒ 次第に大群となって東方に移動を始める ⇒⇒⇒ 大在沖 ⇒⇒⇒ 関崎を通過 ⇒⇒⇒ 一尺屋前 ⇒⇒⇒ 津久見島前 ⇒⇒⇒ 楠屋鼻北西の田尾前(臼杵市清水地区)まで来てから二方向に分かれる ⇒⇒⇒ 主流の大群は白石沖のアジ床(浅い場所)から ⇒⇒⇒ 直接保戸島沖に抜ける。
分岐した群は ⇒⇒⇒ 津久見湾に入り、黒島前 ⇒⇒⇒ 龍がはえ ⇒⇒⇒ 日代湾 ⇒⇒⇒(しまち沖~雲泊前に一時留まる)⇒⇒⇒ 四浦湾(主に東部)⇒⇒⇒ 保戸島の高甲に到り、主流の群れと合流する。
例年であれば、正月を過ぎた頃に最初の寒ゴイワシ群が日代湾に姿を見せるが、主群の来流は「寒の入り」から10日~15日経過した時が「やま場」となる。
濃密な大群となり、突如として来流する寒ゴイワシも、一潮(15日)程で主流の大群は日代湾から四浦湾を通り抜ける。通り抜け終了前には、カタクチイワシ個々の大きさが不揃いとなり、魚群の規模も徐々に小さくなってくる。

 この寒ゴイワシの来流時季を察知して、無垢島周辺にイルカやハマチの大群が現れることがある。このイルカなどの大魚に追われ、恐れ慄いた主流の寒ゴイワシの大群が、日代湾や四浦湾に大挙として乗っ込むことになる。このような状況の寒ゴイワシは、海面が盛り上がる程の濃密な巨大群になるので、出漁した巻網船団は連日の大漁となる。
漁師はこの状態を「オオイオ附け・オオイオ回し・オオイオ食い」又は、「イルカ食い・イルカ回し」と表現する。しかし、昭和60年代に入り、その寒ゴイワシ群はめっきり少なくなり、魚群の規模も小さくなった。
この、寒ゴイワシ群には、大真鯛、中真鯛・ブリ・ハマチ・ヒラメの他に、寒スルメと呼ばれる、大きなヤリイカ(テッポウイカ)・松イカ(スルメイカ)の産卵群が附けてやって来る。
寒ゴイワシの来流は、丁度、寒い冬に見かける猫の発情期と重なる。雄猫が相手のメス猫を求めて、寒い夜中に、"ニャオ~ニャオ~"と、うるさく鳴く時季であるから、雄猫が鳴きだしたならば、油断せずに寒ゴイワシを探索すること。



三月セグロ (旧暦の三月であるから、今流に言うと四月セグロとなる)
 背中が黒く、成熟した大型の黒口カタクチイワシであり、漁師は「三月セグロ」と呼ぶ。
寒ゴイワシのように巨大群にはならず、量も少ないが、個体の太さはメザシの原料に最適な程に大きく12~13cmはあり、寒ゴイワシの比ではない。
 三月セグロの来流は、丁度、真鯛の産卵母鯛の乗っ込み最盛期と重なる。その移動コースも真鯛やイサキの乗っ込みコースとも一致する。漁礁や沈み瀬付近に、このカタクチイワシ群が近付くと、各サイズの真鯛は勿論、多くのヒラメ・イサキ・ハマチなどが、これに附ける。
この「三月せぐろ群」は、寒ゴイワシとは逆に、日向灘より瀬戸内海に向けて沿岸沿いを北上する。
先ず、佐伯湾に現れ、⇒⇒ 一潮(15日)程遅れて保戸島沖を通過し ⇒⇒⇒ 四浦湾 ⇒⇒⇒ 日代湾 ⇒⇒⇒ 長目前から楠屋鼻を回り ⇒⇒⇒ 臼杵湾の津久見島沖 ⇒⇒⇒ 一尺屋前から佐賀関下で一時的に滞留して ⇒⇒⇒ 関崎を通過して瀬戸内海へ到る。年によって来流時季に多少の「ずれ」はあるものの、早春の春めいて来る頃(三月上旬)には、徐々に四浦湾や日代湾にも姿を見せる。
寒い年は水温の上昇が遅くなり、この三月せぐろ群の流入が遅れることもあるが、遅くても山桜が咲く頃(三月中旬)には先群の来流が見られる。

 三月セグロは、例年であれば藤の花の咲く頃(4月中旬)には当地沿岸を通過して姿を消すが、遅くまで滞留する年もあり、みかんの花が咲く(5月中旬)迄、小群れとなって来流が続くことも珍しくはない。このように、三月セグロの来流や居着く期間は長い。しかし、三月せぐろの特徴は、同じ群が長居するのではなく、散在した小さな群が、次々と、当海域を通過して瀬戸内海へと北上するのである。
巻網漁師の話では、三月セグロは、発見した群が直ぐに移動し、再補足や投網に苦労する程に足が(移動が)速いと言う。
漁師達は三月セグロを、通称「ゴットリ八丁」と呼ぶ。この意味は、船上で"コトッ"と小さな音を発しただけで、八丁走るとの意味なのであるが、実は、真鯛やハマチに追われ襲われながら瀬戸内海へ急いでいるカタクチイワシ群なので、異様に神経質になっているからだ。

 海水温度が次第に上昇してくると、小型クラゲの一種で、連タコのように長く連なる「つなぎどぶ」が大量に姿を見せるようになる。この「つなぎどぶ」の来流現象が、三月セグロの通過終了の知らせとなる。同時に通り抜け終了の前兆現象として、大型であった三月セグロの大きさが不揃いとなり、中サイズの個体が混じるようになる。
注 この三月セグロの通り抜けに併せて、白石沖の通称、アジ床と呼ばれるポイントには、中アジの大群が来流する。これは、この海域の年中行事であり、年によってアジ群の増減はあるものの、そのパターンやアジのサイズが大幅に狂うことはない。この時季が、丁度、藤の花が咲く頃なので「藤咲きアジ」や「乗っ込みアジ」「通りアジ」と呼ばれるから覚えておこう。尚、臼杵市の祇園まつり(七月)の頃には、同じポイントに、漁師が「祇園アジ」と呼ぶ前記のアジより一回り大型のマアジの大群がやってくる。
推測 このアジの大群が何の餌に附けているかは定かではないが、アミ及びシラスであろう。

ぜんもん米(禅僧が托鉢する穀物が混合物であるとの意味)
 例年、五月に入り、みかんの花が香る頃になると、通称シラスやカエリと呼ばれる、ウルメイワシやカタクチイワシ・マイワシの他、各種小魚の幼稚魚が来流する。その幼稚魚群は、日を追って多くなり、徐々に成長する。尚、これら小魚は各魚種の習性や成長率の違いにより、独自の群を形成し、成長するに従い、その群れの規模も徐々に大きくなる。
幼魚のうちは鈎に掛からず、「食わせ真鯛釣り」はできない。しかし、小魚群が真鯛ポイント近くの低層に居れば、この小魚群には必ず中真鯛やチダイ、アジなどが附けているので、魚皮でサビキを作成して「エバ真鯛釣り」をするがいい。
※  後記の「エバ鯛釣り」の項を参照にされたい。

 巻網漁師は、これら小魚の混合した状態を「ぜんもんごめ」と称する・・・これは、禅門僧の托鉢した穀物が混合物の為に商品価値が無く、販売できないことに引っかけた「駄洒落」なのである。
 梅雨明け前後には、気象が不安定になり、豪雨などで海水温度や塩分濃度が急変することがある。このような状況時には、小魚群は一時的に姿を消すようなこともあるが、やがて、再度姿を見せて沿岸海域を回遊しながら次第に成長する。これらの群は、何れ成長して、秋の彼岸過ぎには大海に出て行くことになる。
同時期には、サバの稚魚が来流し、これらのシラス等の幼稚魚を食い漁って急成長する。尚、このサバ子は、仕掛け投入時に上層で鈎掛かりするから、他の釣りの外道として嫌われる。
「イワシ鯛釣り」では外道も大物・・・左からニベ・大アジ・サワラ。他にブリ、ハマチが多く釣れる


 

 盛夏を過ぎ秋の気配を感じる頃になると、8~10cm物の{カタクチイワシ}群が来流する。このような群には大真鯛・中真鯛とハマチ、ヤズが附け、カモメ類などの水鳥が騒ぐから、その位置は直ぐに判明可能だ。
真鯛やハマチ等に追われた群は、浅い湾内などに追い詰められて海面の色が茶黒に染まる程だ。このような浅場でも5㎏を越す大真鯛やブリが附けているから油断できない。
 9月中旬から下旬になると、台風や大雨などの一寸した気象の変化があると、漁師が「ニガ潮」と呼ぶ、濃い黒潮(毒性の無いプランクトン)が入道雲のように大発生する。この黒潮はプランクトンであるから カタクチイワシや丸アジなど、アジ類やイワシ類のご馳走となり、アジやイワシ類の大群がこれに附ける。この「にが潮(黒潮)」は濃密なプランクトン群であり、海流の黒潮ではない。この「にが潮(黒潮)」の発生時季が「非常に重要な夏魚と秋の魚の交代時期」に当る。

 それまで居た、中羽いわし群やウルメイワシ群が、数日のうちに中羽、大羽のカタクチイワシ群にとって替わることになる。又、今まで居なかった丸アジや平ソーダガツオが大挙して来流する。
このカタクチイワシ群や丸アジ群には、ヤズ(800gから1㎏物のブリの当歳魚)の大群(数千匹~数万匹)や「サワラ」の当歳物と2年物(2~3㎏物)が附けて、彼方此方で「なぶらを」形成する。この他にチダイの産卵群がやって来る。真鯛もこのご馳走を見逃す訳はなく、カタクチイワシ群が低層に居れば、必ず、大真鯛や中真鯛が数多く附けている。
漁礁や沈み瀬付近で、この、カタクチイワシやウルメイワシ群を補足できたならば、「イワシ真鯛釣り」で攻めれば、大中真鯛だけでなく、5㎏を越す大真鯛混じりの大漁も普通の釣果。尚、このイワシ群には、ヒラマサ・カンパチ・ブリも附けている。この他に、サワラ・カマス・太刀魚・エソなどの鋭い歯を持った秋魚と嫌われ者のサバブクの群が来る。
同時に、良型の丸アジを主に、マアジの他、秋さばと呼ばれるサバの群が無垢島周辺を回遊するようになる。この丸アジ群には、10㎏を越す大ブリや巨大なニベが附けているから、専用の仕掛けに活きアジを鈎掛けして、沖合いの沈み瀬や漁礁付近を攻めるがいい。
 ヤズやソーダガツオに{巻き狩りされた}カタクチイワシ群は、密集して海面に盛り上がる状態となり手玉で大量にすくい取りできるほどだ。

 秋の彼岸を過ぎた頃には、どんかんと呼ばれる白い大型クラゲ(ユウレイクラゲ系)が成熟死して浮いて来流する。この頃になると、多くの中小鯛が浅い藻場に寄るようになる。
温州みかんの色づく頃(10月上旬)になると、落ち鯛の本番となり、各ポイントには1㎏物~3㎏物の中真鯛が群(個々散在しており、濃密群ではない)でやって来る。これらの真鯛は瀬戸内海よりの落ち鯛であり、年間を通して最も真鯛の多いのもこの頃となる。ブリやハマチ・サワラ等、他の魚種の魚影も濃いが、タチウオやエソ・サバフク等のフグ類も多いので非常に釣りづらい。


晩秋
 晩秋には、ハマチ、大中真鯛、カンパチ、サワラなどの大魚の他に、エソや太刀魚等のギャングも多く来流する。これらの天敵魚に追われたイワシや小アジの群れは逃げ場を失い、パニックに陥っていることが多い。この常態の小魚は、沿岸部の藻場や漁港内を逃げまどい、手玉ですくいい獲れることさえある。又、この時季には、多くのイカ類も来流する。モイカ・ケンサキイカ・シリヤケイカ・コブイカが多量に姿を見せて日々成長する。このイカ類にはブリや大真鯛・大ヒラメ等が附けているから、イカの活き餌を手に入れ、無垢島から高島下・保戸島沖などの豊後水道本流域に散在する沈み瀬や漁礁付近を中心に、イカの活き餌を鈎付けした「胴付き仕掛け」で「イカ鯛釣り」をすると大漁請け合いである。

 カタクチイワシやトウゴロウイワシは、海面を波しぶきのように飛び跳ねたり、時には大挙して波打ち際に揚陸することもある。このような小魚群を確認した時には、それに附けている小魚の魚種を特定し、その大魚を釣るのに最も適した漁法で攻めるがいい。沖合いの瀬際や沈み瀬、漁礁付近に太刀魚が多い時は、カタクチイワシやマイワシ等の小魚が多い証拠であり、その食いこぼれの小魚を狙って多くの真鯛が附ける。

 太刀魚の餌食いは噛み付き型の攻撃なので、小魚の捕獲が荒っぽく、その口の構造上、一度に食するのは非常に不得手である。鋭い歯で多くの小魚を咬み切ったり、傷つけてしまう。傷付いた小魚はやがて群れから落伍して真鯛やフグなどの餌となってしまう。間接的には、太刀魚が真鯛に餌を与えている訳であり、自然の食サイクルは実にうまくできている。




釣り方
ポイントの選定
 この「食わせ真鯛釣り」の基本は、真鯛の居付く沈み瀬や漁礁の周辺にカタクチイワシやウルメイワシ等の小魚が居て、そのイワシ類がサビキに鈎掛かりすることが前提となる。尚、イワシ群に附けた真鯛達は、イワシ群に同行しながら大海を移動する。
真鯛は、エビやアミなどの甲殻類や小魚類の多い海底付近や、湧昇流のみられる沈み瀬や漁礁付近の低層には常に魚影は濃い。その生息域は広く、沿岸域の藻場から沖合い本流域の150mを越す深海にまで及ぶ。

 真鯛の採餌する遊泳層であるが、カタクチイワシ・ウルメイワシ・イカナゴなどのイワシ類が来流すると、真鯛は、驚くほど迅速にこれに附けて頻繁に中層以上まで浮上する。このように、立体的にも広いエリアを採餌場としており、白身魚でこのように特異な採餌行動をする魚は他には見当たらない。
特に、無垢島、保戸島、高島付近など、豊後水道本流域の急流域に点在する沈み瀬や漁礁、沈船付近には、常に、大型真鯛やブリなどの魚影が濃い。天敵魚に襲われた際に身を隠せるだけでなく、速い潮流に乗って小魚群やエビ等の甲殻類の他にイカ類の群も多く来流し、容易に補足されるからであろう。

 真鯛やハマチ・イサキ・アジの他、カタクチイワシなどの小魚は、常に、沈み瀬や島礁の潮上側(上流側)に出て来流する餌を待つから、ポイントも常に、この位置が一級ポイントとなる。
 イワシを食わせて真鯛釣りをする「イワシ鯛釣り」では、先ず、最近の真鯛の漁獲情報を把握することから始める。海は広大であるから、帰港した一本釣り漁師の真鯛の漁獲状態、底引き網や刺し網漁船の水揚げ状況を確認する。真鯛の漁獲量が多ければ、近近隣海域に真鯛の食するイカ類やイワシ類が濃いと判断していい。

 これとは逆に、カタクチイワシやウルメイワシ・キビナゴ群などが来流すると、簡抜を入れず、真鯛やハマチ等の大魚がやって来る。巻き網での、これらの小魚類の大漁も真鯛やハマチの来流を裏付ける。次に、どの海域の、どのポイントで揚がったかを調べ、同時に真鯛のサイズや附けている(食っている)餌が特定できたならば参考にする。この他に、往年の真鯛漁の記録や鯛釣り漁師の教えを加味するのもいい。

 その他に、小魚の大群が生ずる降雨状態の「せぎり」や、海面の「色変わし」それに、天敵魚に追われた「しぶき状態」の飛び跳ねも小魚群や大魚の来流を裏付ける。又、カモメ等の水鳥の動向にも留意する必要があり、特に、ウミネコやカモメ・アジサシなどのカモメ類がが海面上で乱舞する時は要注意。これは、小魚の大群が下からブリや真鯛、サワラなどの大魚に襲われ、海面に追い上げられて盛り上った状態になり、この小魚に水鳥が集って乱舞しているからである。漁師はこの状態を「鳥山」と呼び、この小魚群に附けた魚種を特定して漁をする。


 カタクチイワシ群は大真鯛やブリ、サワラなどにに追われて沿岸に寄る
小魚の探索と操船
 この「食わせ真鯛釣り」は、小魚群の真上で船を留めて潮流に流しながらの釣り方であるから、一船一仕掛けが原則であるが、同行人の仕掛けとの絡みがなければ、複数の人が仕掛けを投入しても真鯛等の大魚の食いは変わらない。尚、一本釣り漁師はビシテグスで手釣りするが、リールや竿を使用して釣っても釣果に影響はない。
 通常の真鯛等のポイントは、漁礁や沈み瀬、沈船、島礁回りなどの、常に、潮上側(上流)から真上迄であるが、カタクチイワシ群が大量に来流した時には、イワシ群の位置がポイントとなる。
カタクチイワシなどのイワシ群は、広範囲に海面を埋め尽くすほどの大群となることも珍しくはない。時には沈み瀬や漁礁などに関係ない位置をイワシ群が移動したり、特定の場所に留まったりもする。このような時には、潮流の変化に関係なく、イワシ群の位置が真鯛ポイントと化する。
イワシ類の群に附けた真鯛やハマチ、サワラなどは、ポイントや海底から離れて、イワシ群直下の中層に浮上していることが常である。
   
 電波魚群探知機を駆使して沈み瀬や漁礁の100m程潮上側から、ポイント付近一帯のカタクチイワシやウルメイワシ等の小魚群を探索することから始めるが、中層から低層にいる小魚群を補足できるか否かが釣果を左右する。大魚に襲われたカタクチイワシ等の小魚群は、巨大な入道雲のような魚玉になるのが特徴であり、傷付いたカタクチイワシなどは水面をミズスマシのようにノタウツ。これを狙ってカモメやウミネコ、トンビなどが乱舞する。
連日の小魚群の移動パターンは極端に変わることは少ない。前日の同一時間帯に同じポイントに出現する度合いが高いので、探索の参考にしたい。

 電波魚群探知機の映像で、中層以下に居る小魚群を補足確認次第、船を止めて素早く仕掛けを投入し、小魚群の居る水深で仕掛けを止め置き、小魚が十分に鈎掛かりしたことを指先で確認した上で、ゆっくりと上下に誘い乍ら小魚群の下部水深まで落とし込む。
この際、真鯛やハマチが多ければ、小魚が鈎掛かりすると、直ぐに大魚の当りがくるものである。尚、大魚は魚玉の周辺を回遊して、群から落後した小魚群を追っているらしく、巨大な魚玉の中より魚玉の端や直下に入れた際に食い付くことが多い。
 潮流や小魚群の動きにより小魚群の映像が消えたならば、このまま流しても大魚は釣れないので、手早く仕掛けをたぐり揚げ、再度、元の位置に戻って小魚群を探索して仕掛けを再投入する。尚、海面近くに居る平面的な小魚群には、ハマチやサワラ以外の大魚が附けていることは少ない。

 小魚群付近の他に沈み瀬や漁礁の上方に「星のような点々とした小さな映像」が確認されたならば、中層以上であっても真鯛等の大魚である可能性が大きいから、イワシ類が鈎掛りさえすれば、この位置を集中的に攻めてみること。
カタクチイワシ群が大量に来流し、日中でも、真鯛ポイントに近い位置で低層で、このようなカタクチイワシ群が補足できたならば真鯛やハマチ・サワラなどの大魚は大潮、小潮、天候に関係なく釣れ続くものである。
 ポイントによっては、太陽が昇ってくると小魚群は霧散してしまうことがある。これでは「イワシ鯛釣り」はできないので終漁となる。尚、このようなポイントでは、連日同じパターンでイワシ群が出現するから、プランクトンの湧く夜明け前にポイントに着くことでイワシ群との出逢いが増すことになる。
霧散したイワシ群も、太陽が西に傾く夕方になれば、再び、何処からともなくプランクトンの湧く瀬際に出現するから不思議だ。


大真鯛やブリ、サワラなどに追われたカタクチイワシ群は濃密群となる・・・55m水深の魚探映像 
小アジでのハマチ釣り
   ※ 真鯛はアジを敬遠するから滅多に釣れない。
 イワシ類が居ずに、小アジ群にブリやハマチ群が付くことがある。この小アジ達は逃げ場を失い、浅い藻場近くに寄ることが多い。
このような場合、浅場で小アジを食わせ、そのままの状態で深場のポイントに仕掛けを若干曳き出すとブリやハマチが食い付く。尚、活きた小アジを準備しておき、「胴付き仕掛け」に鈎掛けして攻めるのも一手。しかし、残念なことに小アジの餌では真鯛が釣れることは滅多にない。

 ブリやハマチ・ヒラマサ・カンパチ・大真鯛の場合、鈎掛かり直後には魚体重量の数倍と言われる猛烈な勢いで曳き込むので、テグスで手や指を怪我(引き込み切り)しないように、事前に指ゴムや釣り用手袋を付けて防御しておくがいい。
大魚を捕り込むには、ビシテグスは両手で持ち、左手でハリス能力一杯に締めて、右手では、握った手の中で滑らせ乍ら右腕の弾力を最大限利用して、慎重に「やりとり」しないと、ブリは何時までも弱ることはない。安易に片手でビシテグスを掴むとビシが跳ね返って手の甲を叩く。"痛いぞー"

 白波が立つ程の風波があると非常に釣りづらい。このような時には「てんてん帆(スパンカー)」を立てる。この帆は、船首を風見鶏のように風上に向ける役目をするので、推進器のクラッチを「入り切り」して船を風波に負けないようにする。潮流と同じ速度で船を流し、釣り具を常に船の真下に立てて釣りをすることが可能だ。船が潮流や風波に乗って移動するスピードは想像以上に速いことを常に忘れない。
荒く立ち上がった、漁礁や沈み瀬の上流に仕掛けを投入する際には、その立ち上がりを計算して、頂上の水深以上には仕掛けを入れず、頂上から数メートル以内を通過させて食わせるのが理想的。
鈎掛りした際、ブリなどの大魚は海底すれすれを曳き回す。この時、海底が粗いポイントであれば、仕掛けが海底の岩礁や珊瑚、海松などの障害物に根掛りするので、ハリスの対応能力ギリギリに締めて対応することだ。

 


スラセについて
 すらせとは、「擦らせる」の意味であり、仕掛けをたぐり揚げる際、摩擦で仕掛けのヤマやビシテグス、ハリスが傷むことの無いようにした一本釣り漁師の「手釣り仕掛けの当て具」である。
釣り船の側辺の「こべり」に取り付けるが、「食わせ真鯛釣り」の釣行中には仕掛けの上げ下ろしに利用する。既製品の他に、ステンレスや塩ビパイプ、孟宗竹などを利用する。
細い仕掛けでの、大物の取り込み時には、仕掛けを「こべり」に当てたままで「やりとり」してはならない。腕とクッションゴムの弾力を最大限利用しながら、ハリス能力一杯に締め、手の中で仕掛けを滑らして調整する。


 
すくい捕るには
 「食わせ釣り」の場合、細いハリスで大魚を釣り揚げるので、必ず、手玉を使用してすくい取る。
手玉は、軽くて大きめで、網の目合いは対象魚が抜けない程度とし、水切りが良くて鈎が掛かりにくい材質がいい。網の深さは魚の長さあればよく、手玉の柄はで握り易く長いものがいい。

 大物が鈎掛かりした際、その曳き込み具合で魚種が特定できる。中層で鈎掛かりした真鯛は、若干沖(深い方向)の海底に向けて走る事が多く、海底まで到達すれば一瞬走りが遅くなる。手繰り始めるとブリやヒラマサなどの青魚のように旋廻動作が顕著でなく、周期的にコク・コクと「頭振り的な動き」をするのが特徴である。尚、引き上げ途中の中層では、急に上方に向かって泳ぎ、一瞬は鈎外れした感覚となることもあるが、これも、真鯛独特な浮上動作の一つ、「持ち上げ曳き」であるから、素早く対応して手繰り上げないと釣具が緩んで鈎外れしてしまう。中層から船際に揚がるまでには数回のやり取りがあるが、やがて、真鯛は腹を見せて浮上してくるので、あわてずに手玉を出すがいい。

 5号ハリスであれば5㎏クラスの大真鯛でも、概、数分程度で捕り込みできる。
ブリや大真鯛・ヒラマサ・カンパチ等は、鈎掛かり直後には仕掛けを持った手が焼ける程の強烈な勢いで曳き込む。(魚体重量の数倍の遊泳力がある)ビシテグスは両手で持ち、左手でハリス能力一杯に締めて、右手に握ったビシテグスを手の中で滑らせ乍ら右腕の弾力を最大限利用して、慎重に「やりとり」しないと、ブリは何時までも弱ることはない。安易に片手でビシテグスを掴むとビシが跳ね返って手の甲を叩く。
根掛かりの心配が無いポイントであれば、伸ばしたビシテグスで「ビシ担ぎ」させ、大魚が十分に疲れてから取り込むのも一つの方法。
 取り込みにかかってからも、強烈な曳き込みや旋廻を繰り返してなかなか寄って来ない。これらの大型の青魚は、船際まで揚がっても同じ動作を繰り返すから、旋廻動作や急な曳き込み時に、船体や舵、推進器にハリスを接触させないように注意しながら、魚が衰弱して腹を見せるまで待つ。
 すくい捕る際には、魚の頭部を海面より出して空気を吸わせながら引き寄せると、動きが緩慢になるから、あわてずに手玉を出して落とし込む感じですくい取る。
この場合、海面より頭を持上げた大魚から眼を離してはならない。船の傾斜や波浪などで大魚の頭が没して「向こう」に向くと猛烈な勢いで引き込み走りする。この時に飛ばしてしまうことが多い。

 この「食わせ真鯛釣り仕掛け」は、数本から10本程の枝鈎が付いているので、下鈎に掛かった大魚を取り込む時には上鈎に注意してないと急な曳き込み時に、上の枝鈎が手や指に鈎掛かりして怪我をする。上鈎は船には揚げないで船際に垂らしておくがいい。
 5号ハリスでは、5㎏クラスのブリの場合、手元で「やりとり」しても、海水の抵抗でハリス切れすることが多い。このクラスのブリを捕るには6号ハリスを使用する。
 6号のハリスで5㎏クラスのブリの場合は、クッションゴムの手助けを受けながら慎重な「やり取り」を繰り返さなければ飛ばされてしまう。取り込むには10分程度は覚悟しておこう。尚、ヒラマサはブリの三分の二程度の体力と考えていい。
 6号ハリスでは、7㎏クラスのブリの場合、手元で「やりとり」しても、海水の抵抗でハリス切れすることが多い。このクラスのブリを捕るには7号以上のハリスを使用する。
 真鯛やブリが多く付くポイントは、必ず急潮流の流れ来る中にあり、船は潮流に乗って想像以上の速さで移動するので、仕掛けの根掛かりには十分な注意が必要。特に、漁礁においては魚網の千切れたものや、切れた錨ロープが漂っているから始末が悪い。
 ブリなどの大魚が引き込む際、手の平や指にテグスが食込み、怪我をすることがあるから、事前に指ゴムや釣り用手袋、テープ等で防御しておくがいい。

ヒラメ
 ヒラメの場合は低層で食い付くが、ヒラメ特有の根掛かりした感触の鈍重感であれば、大物のヒラメであることが多く、鈎掛かり当初には、何回かの強力な曳き込みをみせるが、その後は多少の持ち込みはあるものの、素直に「ぼそーとした感じ」で船際まで揚がってくるのがヒラメ。5号ハリスであれば、当初の曳きさえ対応できれば、数㎏クラスのヒラメは楽に獲り込みできる。
しかし、ヒラメは獲り込む時に不用意に手玉を出して、手玉がヒラメに接触すると、急に水面を跳ねるので注意が必要だ。口径の大きな手玉を使用して、ヒラメに触らないように慎重にすくい獲ること。

サワラ
 「イワシ鯛釣り」ではサワラが食い付くことも多いが、「サワラ」の場合は、歯が鋭いから口中に鈎掛りすると太いハリスでも簡単に切れてしまう。唯一、鈎が唇に掛かった「サワラ」のみが獲り込みの対象となる。
 鈎掛かり当初にはブリ以上の凄い力で持ち込むが、やがては自ら浮上して「鈎外れしたのではないか」と思える程に、意外に楽に揚がって来るものだ。
唯、船際ですくい捕る際に、柔軟な体を反転させて猛烈に曳き込むことが多く、この時に取り逃がすことも少なくない。尚、上鈎に注意しないと、急な曳き込み時に指に鈎掛りして痛い目に合う。
魚体が棒状なので手玉が小さいとすくえないので、大き目で柄の長い手玉を用意すること。

  イワシが鈎掛りしない時には[エバ鯛釣り]で狙うがいい。 
 小魚のカタクチイワシ等が鈎掛かりしない時には、「イワシ鯛釣り」は機能しない・・・下記の「エバ鯛釣り」で攻めるがいい。
エバ鯛釣り 「漁師は魚皮のサビキを"エバ"と称する。

 真鯛やブリ、ハマチなどが多い時には、小魚群がこれらの大魚に追われて霧散してしまい、ポイント内で、これらの小魚群を探索できないことが多く、たとえ探索できても直ぐに姿を消すことが普通である。特に、豊後水道本流域の無垢島や保戸島、釜戸崎周辺海域では、大魚が多いので、この傾向が強い。
 沖合いにマイワシやキビナゴ群が多量に居ても、プランクトン以外には{食い動作}が無いので、滅多にサビキに鈎掛かりすることは無い。又、カタクチイワシやウルメイワシの幼稚魚も、サビキには食い付かないので「食わせ真鯛釣り」はできない。
 このような時には、カタクチイワシやイカナゴを活かしておき、これを鈎掛けして狙うもいいが、不思議にも「食わせ真鯛釣り」の数分の一の釣果しか無い。むしろ、魚皮で真鯛用のサビキを作成して、真鯛やチダイのポイントを攻めると、真鯛やチダイ、ヤズ、アジなどを含めた想像以上の釣果が上がるものだ。入手が困難な「活きた小魚」を確保しなくてもいいのも利点。

 「イワシ鯛釣り」に使用するサビキの場合、カタクチイワシやウルメイワシの食い付く小さな魚皮サビキであるが、真鯛やハマチを直接食わせる「エバ鯛釣りサビキ仕掛け」の場合は、マアジ用のサビキより魚皮を長くして作成するのが一般的。
5.5㎝~7cm程度のサビキが一般的な漁師仕掛け・・・ 「エバ真鯛釣り」用の専用サビキは、主にサバ皮を使用するが、薄い鯰皮・ウマズラハギ皮・ハモ皮・サメ腸などを染めて使ってもいい。
真鯛の好む色合いは、オレンジ又はピンク系や黄色、茶系であるから、お茶やコーヒー、ぶどう酒、タマネギ皮などで草木染めをしたり、科学染料で着色する。尚、サバ皮の腹部は、アジやイサキ釣りに使う貴重品なので、「エバ真鯛釣り」には背中の部分を染色して使うがいい。
魚類は色盲と聞くが、真鯛が何故ピンク系やオレンジ色を好むのかは判らない。餌にするエビやカニ等の甲殻類が真鯛の生息域に多く居り、同系色であるので特別な識別感覚があるのかも知れない。

 「エバ真鯛釣り」に使うハリスは上質なものを使用するが、主ハリスは、太くしても1号アップに留めたい。そのサイズは真鯛の大きさに比例させるがいい。一般的には4号ハリスだが、大真鯛やブリが居るようだと5号を使い、チダイが多い時や真鯛が小さければ3号でいい。3号ハリスであれば、同じポイントに居る良型のアジやイサキも食ってくる。
この「エバ鯛釣り仕掛け」の枝鈎の本数は5本から7本程度とし、枝ハリスの長さは60cm~90cm枝間を150cm~200cm程度とするが、縺れがなければ枝ハリスは長い程真鯛の食いはいい。尚、枝間は上下の絡みが無ければもっと近くても差し支えない。
使用する鈎は、小さく軽くて丈夫であることが絶対条件となるので、「食わせ真鯛釣り」に使う鈎と同じ、アジ鈎の3号又は4号程度とするがいい。※ 佳丸ジイジは、金龍スズメッキの別太3号又は4号を使用する。
※  詳しくは別途の{エバ鯛釣り}の項を参考にされたい。


外道魚
ブリ・ハマチ・ヤズ(小型ハマチ)
 秋に最も多くて、秋のヤズは、数千から数万単位の群が無数に「なぶら」を形成して海面で魚しぶきをあげる。潮変わりのいいポイントには年間を通してその姿を見る。「イワシ鯛釣り」では真鯛以上に多く釣れる外道である。
「イワシ鯛釣り」の小魚に食い付くと猛烈な曳き込みを見せる。
ブリやハマチが追う時には、ハリスを6号又は7号と太くするがいい。尚、これらの青魚は、丸アジ群にも附けるから丸アジを食わせての「食わせ釣り」も釣果があがる。又、アジが鈎掛かりしない場合には、活かした丸アジを鈎付けするのもいい。
ヒラマサは10㎏近くの大物がいるが、滅多に食い付くことは無い。尚、当地ではヒラマサの大群は見掛けない。
 ※ アジには真鯛は食い付かない・・・尚、「アジでの食わせ釣り」ではヒラメやブリ、ハマチ、サワラの釣果はいい。
ヒラメ
 水温が低下する冬季から春にかけて多いが、梅雨頃にも多く来流する年もある。無垢島沖の漁礁付近や沖合いの沈み瀬には年間を通して多く、太い個体は10㎏を越すのもある。
イカ類やイワシ類、アジ類等の魚類やエビを追うが、死んだ餌魚には見向きもしない。大物は鈎掛かりした時には根掛りした感じであるが、当初数回の曳き込みするだけで、中層では他の魚のような引き込みは無い。しかし、機敏な魚であるから、獲り込みには慎重を要する。  "この魚も高級魚"
タチウオ・エソ・サワラ
 タチウオは保戸島沖などには小魚群が居れば年中居るが、沿岸部にはエソの多くなる10月頃にやって来る。エソ以上に歯が鋭いから、タチウオが釣れたならば、直ちにハリスの点検を怠らないこと。尚、ハリスに付いた少しの傷でも、傷は深くて使い物にはならないから、直ちに取り替えておく。
 タチウオに指などを咬まれた場合は、出血が止まりにくいので要注意。
マエソは年中居るが、盆過ぎから正月頃にかけて特に多い。時には1㎏を越すような「ヒゲえそ」も姿を見せる。エソが食い付くと鋭い歯で可動範囲のハリスを傷めるから点検を怠らないこと。
サワラも混漁されることが多いが、歯が鋭いから口中に掛かった場合はハリスが細いので切れてしまう。尚、唇に鈎掛かしたサワラは獲り込みが可能。



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