一本釣り漁師の真鯛釣り
活イカでの真鯛釣り
[大真鯛・ブリ・大ホゴ・ヒラメ狙い]

{ 豊後水道西部で資料収集 }
詳細な[イカ鯛釣り仕掛け]は、[イカ餌での真鯛釣り仕掛け]のページをご覧ください。

 豊後水道の真鯛釣り漁師は「活きたイカ餌での胴付き釣り」で真鯛を狙う釣技を{イカ鯛釣り}と称する。
特に、豊後水道本流域での、冬季の[イカ鯛釣り]では、5sを超す大真鯛の釣果は並みであり、大ヒラメや大ブリの釣果が期待できる。

 豊後水道にはケンサキイカ、ヤリイカ、スルメイカ、コブイカ、モイカなどのイカ類が次々と来流する。特にケンサキイカとスルメイカは初夏から秋にかけて多く、秋から冬にかけてはコブイカやシリヤケイカ、紋甲イカ、モイカが多く育つ。
イカ類は大魚の大好物であり、活きたイカを鈎掛けして狙うと、真鯛の他にブリ、ハマチ、アラ、ヒラメ、大ホゴ、大ニベなどが釣れる。



概要
 イカ類は真鯛やブリ達の主食と言っても過言ではない。漁師は「活きイカを見せたなら 他の仕掛けには見向きもしない」とまで言う。
[イカ鯛釣り]とは、イカ類の多いポイントに寄り集まった大真鯛、ハマチ、ブリなどを釣る方法として、当地の一本釣り漁師が最も多用する釣り技である。

 コブイカやシリヤケイカなどの甲イカ類は、生命力が強く管理が良ければ10日間程の畜養ができる。
{ケンサキイカ}{ヤリイカ}{スルメイカ}{モイカ}などの水イカ類は長期間の畜養は難しく、数日が限度と思うがいい。健常で活発に泳ぐ程大魚の本能と食欲を誘うから、これらのイカ類の入手には、釣行前夜に「イカ釣り」に出漁して「生きた中小のイカ」を確保することが望ましい。
尚、冬季の深場での[イカ鯛釣り]には、イイダコなどのタコ類も大魚の好む餌となるので、入手した際には使用に値する。
いい釣果を出すには、健常なままのイカ類やタコ類を、活魚船倉でポイントに持ち込む技術も必要となる。

 {真鯛やハマチにイカを見せたならば、他の餌や仕掛けには見向きもしない}とまで、一本釣り漁師は言う。
 [イカ鯛釣り]は、真鯛やハマチの寄るポイントに於いて、生きたイカを掛けた「胴付き仕掛け」を投入して、これらの大魚を食わせる漁法なので、ポイントを把握してないと、この[イカ鯛釣り]は機能せず大きな釣果はない。

 カタクチイワシなどのイワシ類の群が来流すると{ケンサキイカ}{ヤリイカ}{スルメイカ}などが来流する。真鯛やハマチ、ブリ、サワラなどは、このイワシ類を追うが、それ以上にイカ類が大好物だ。このような時に[胴付き仕掛け]にイカ類を掛けて狙うと大魚の爆釣が期待できる。
 「胴付き仕掛け」は単純な仕掛けではあるが、真鯛やハマチが採餌する時間帯に遇うと、想像以上に釣果が上がるものだ。特に、ブリやハマチの群に出遭うと複数の鈎掛かりは常であり、入れ食いも珍しくはない。



ポイント
 豊後水道本流域の水深100mを超すような海域には、無数の沈み瀬や漁礁、沈船などのポイントがある。又、豊後水道本流域は潮流が速くて深い、このようなポイントには、大真鯛やブリ、ヒラメなどの他に30s近い大ニベなども居る。

 夏季の豊後水道には{スルメイカ}{ケンサキイカ}{ヤリイカ}が大挙して来流する。これらを食い漁る真鯛やブリ、ハマチ、ヒラメなどを釣るには、活きたイカを[胴付き仕掛け]に鈎掛けしての[イカ鯛釣り]が、最も釣果のあがる釣り方となる。

 冬季にはコブイカやモンコウイカ、シリヤケイカが瀬戸内海より速吸海峡を海溝状態の深場を通過して南下する・・・これらを狙う大真鯛やブリなどは、この200mを超す深海より立ち上がる沈み瀬ポイントで待ち受ける。
尚、モイカなどのイカ群が浅場に寄った時には、このモイカなどを狙って大真鯛が急流域の沿岸部や浅い沈み瀬際などに寄ることもある。


餌のイカ
 夏から秋に餌にするイカは
スルメイカやケンサキイカ・ヤリイカがカタクチイワシ群に附けて大挙来流する・・・真鯛やブリ、ハマチ、サワラなどの大魚は、イワシ類の他にイカ類が大好物なので、これらのイカを[胴付き仕掛け]に鈎掛けして狙う。
 餌にするイカは、夏にはスルメイカを鈎掛けすると、動きのいいイカなので真鯛やブリの喰いがいい。尚、ケンサキイカやヤリイカ・モイカもいい餌となる。

 秋から厳冬期から春には
藻イカ、シリヤケイカ、コブイカ、紋甲イカの他、イイダコも真鯛やブリなどの大魚釣りの餌になる。
 秋季から厳冬期にかけては、遊泳力に優れたシリヤケイカが最も優れた餌イカだが、コブイカやイイダコなど小さなタコ類も真鯛が大好物なので鈎掛けするがいい。

 イカは健常で元気なことが絶対条件であり、逃げる動きが真鯛やハマチの食いを呼ぶから、小さいイカよりも若干太めで胴長15cm程度イカに最も食いがいい。太いイカでも大魚は臆せずに食い付くが、鈎掛りが悪いのが欠点となる。特に、真鯛は賢く、鈎を避けて噛み潰しながらイカやタコを食うからその傾向が顕著。
尚、アジなど小魚の活餌にはハマチ、ブリ、ヒラメ、ニベ、マトウダイなどは喰い付くが、真鯛は滅多に振り向かないから、真鯛釣りの餌としては使えない。

 大真鯛は「長年生き長らえてきた兵」であり非常に賢く、鈎を避けて巧妙にイカを食い盗るから、胴長が15cmを超すような大きなイカには、剣先と足元の二か所に鈎を掛けるが、真鯛が警戒して食いが悪いようだと鈎は1本にするがいい。
前鈎はイカの剣先に浅く掛け、後鈎の鈎掛け場所は、長手の隣にある横幅の広い力足の根元に「必ず横向き」に「鈎が隠れるように」鈎掛けする。
 鈎掛けする際に重要なことは、前鈎と後鈎間のハリスをイカのサイズに合わせる・・・このハリスが張るとイカが正常に泳げず、仕掛けの投入時に回転し、ハリスが絡んでしまう・・・又、掛けたイカが弱ってしまうから真鯛が追わない。逆にハリスが長過ぎると、真鯛は賢いから弛んだハリスを警戒して食ってこない。

 甲イカを餌にする場合、餌イカのサイズが大き過ぎる時や、釣れる真鯛が中真鯛の場合、甲羅があると食い込みが悪い。このような時には、甲羅を抜いて鈎掛けすると食い込みが良く真鯛の鈎掛りがいい。甲羅を抜くには、甲イカの甲羅の両サイドに浅くナイフを入れ、甲羅に続く貝柱風の筋肉をカットして頭向きに抜くが、甲羅を抜いても内臓は痛めねばコブイカが死ぬことはない。
 餌の甲イカは、胴の長さが10cm以下の小さいイカより少し太めのイカに食いがいい。しかし、賢い大真鯛は鈎を避けて「ガジガジ」とした当たりが長く続き、待っても鈎掛かりしにくい。このような場合、若干「手繰り動作」をすると、追って来る大真鯛は鈎を警戒せず食い付くから鈎掛かりする。
 基本は、「向こう合わせ」で鈎掛かりさせて、合わせ動作や不必要な伸ばし込みをしないことだ。
 活きイカの確保と生かし方は 「餌の保管・・・」のページに詳細があります。


釣 技
   海底に着いた仕掛け、緩めず、起伏のある海底を、コツコツと探りながら潮流に船を乗せて流す。
各種のイカ類が大挙来流する豊後水道本流域には、想像以上に大真鯛やブリが多い。潮流は速いが、スパンカーを立て、仕掛けが常に垂直になるように船を潮流に合わせての流し釣り。

 広大な海原に点在する沈み瀬や漁礁、沈船などは点でしかない。
[イカ鯛釣り]に長けた先着漁船に追随した操船で仕掛けを入れる場所を特定しておくのが最も手っ取り早い。
 ポイントを特定してない場合、先ず、急流域に位置する沈み瀬や漁礁、沈船などをGPSや魚探で確認することから始める。
魚探で「前記ポイントの潮上側」を微速度で探索して、イワシ類やアジ類などの小魚群を把握すれば、イカ類も附けており、真鯛やブリなどの大魚はが確実に居る。
又、その付近の低層に点在する「真鯛らしき映像」が確認できれば、その潮上に船を止めて仕掛けを投入するがいい。

    仕掛けがポイントを通過しても魚信が無ければ、再度元の位置に戻って仕掛けを再投入する。尚、真鯛らしき映像が無くても小魚群の映像があれば、真鯛やブリ、ハマチ、ヒラメなどが居ると判断していい。
 ブリ、ニベ、大ホゴなどは即、向こう合わせで鈎掛りするが、2〜3sクラスの中真鯛は賢く、鈎を避けながらゴツ・ゴツとイカを齧る。又、長年生き抜いた5sを超すような大真鯛も賢く餌を噛むから、鈎掛けは慎重に・・・尚、鈍重感だけの当たりをするヒラメは、餌を咥えてから口に入れるまで待つ必要がある。何れの場合も、向こう合わせ(魚自身の鈎掛り)が基本であり、不要な合わせ動作はしない。
 待ち切れずに「合わせ」を入れても真鯛やヒラメは鈎掛りしない・・・餌の付け替えの手間や、ポイントが深いので仕掛けの手繰り揚げ・落とし込みのタイムロスは勿体ない。
 


 夏の「イカ鯛釣リ」の餌・・・スルメイカ・ヤリイカ・ケンサキイカ
※ 死んだイカ・タコは真鯛釣りの餌にはなりません。

漁師のイカ鯛釣りの仕掛け

[イカ鯛釣り]ハマチ兼用仕掛け (豊後水道・津久見市H港 K.Y名人漁師)
 14号道糸100mの下にビシテグス14号を100m使用する。
 ビシテグス下にはクッションゴム2,5mmサイズの2m物を入れておく。
 沖合いには大真鯛や「ブリ」が多く居るので、ハリスは釣れる大魚に対処できる号数とし、最低主ハリス8号、枝ハリスは7号使用。
 枝鈎上のハリスは7号4尋。上間2尋(3m)、中間2.5尋(3.75m)間、錘間1尋(1.5m)とする。
 枝の長さは、下枝ハリス3尋(4.5m)中枝ハリス2尋半(3.75m)上枝ハリス2尋(3m)。
 水深にもよるが、ビシテグスを使用するので、錘は軽くて良く40号〜60号。イカ餌が大きい場合には適宜重くする。
 小イカや小魚餌の場合は1本鈎。胴長10cmを越す活きイカ餌の場合は2本鈎を使う。
 錘が重すぎると、沈下速度は速いが餌のイカが回転して絡むことが多い・・・これでは大魚が食い付かない。
 水深や潮流、風波の状態を考慮して、使う錘号数をきめるがいい。概、軽い程釣り易くて釣果もいいが、沈下タイムは長くなる。

大真鯛「イカ掛け胴付き仕掛け」(豊後水道・津久見T港 KF名人の仕掛け)
 元糸16号100mの下のビシテグスは14号物とし、100m使用するが、80mを越すポイントでは元糸が必要だ。ビシ号数は小小、ビシ間隔は20cm程度がいい。尚、150mを超すポイントでは元糸が200mは必要。
 ゴムクッションは2.5mmの2m物を必ず付けておく。尚、もっと長くしても釣果に支障はない。
 主ハリス枝ハリスは、細いハリスほど魚の食いがいいから、釣れる魚に対応できる6号〜10号を使用する。枝ハリスは主ハリスより1号ダウンの号数でいい。尚、大ブリが居るポイントでは、もっと太いハリスが必要だ。
 大真鯛やハマチ狙いの仕掛けは、枝鈎の数は3本だが、ハマチが多く居る時には増やすがいい。
 枝間は3尋(4.5m)枝長1尋矢引き(2.5m)錘間は40cm。
 小イカや小魚餌の場合は1本鈎。胴長10cmを越す活きイカ餌の場合は前後2本の鈎を使う。
 親鈎(ケン先に掛ける)は12号。孫鈎(力足に横向きに掛ける)は14号。
 親鈎と孫鈎間のハリスはイカのサイズに合わせることが肝心。「張らず、余らず」にし、丁度の長さとする。
 錘は着底が判明できれば軽い程いいが、沈下タイムは長くなる。

大真鯛「甲イカ掛け胴付き仕掛け」(豊後水道・津久見市O漁港 HT名人の仕掛け)
 大真鯛は冬季には80mから200mを越す深いポイントに寄るコブイカ(甲イカ)に附ける。
 大真鯛は「長年生き長らえてきた兵」であり非常に賢い。
 甲イカは「動きや泳ぎ」が鈍いから、枝ハリスを長くしないと真鯛は食ってこない。
 外道は、ブリ、大ニベ、大ヒラメ、アラなど。
ビシテグスは14号とし、100m使用する。ビシ号数は小小、ビシ間隔は20cm程度がいい。80mを越すポイントでは対応できる長さの元糸が必要だ。元糸は200m準備しておれば、豊後水道のどのポイントでも釣りが可能。
 ゴムクッションは2.5mmの1m物を必ず付けておく。
 7号ハリス以上を使用するが、細いハリス程食いがいいから、釣れる大魚に対応できる号数が基本。
 枝数は2本がいい。枝間は3尋(4.5m) 枝長2尋矢引き(4m)錘間は100cm。
 コブイカが小イカの場合は1本鈎。胴長10cmを越す活きイカ餌の場合は2本鈎を使う。
 真鯛一本釣り鈎を使用する。サイズは親鈎(ケン先に掛ける)は12〜15号。孫鈎(力足に横向きに掛ける)は14〜15号がいい。
 親鈎と孫鈎間のハリスは「張らず、余らず」にし、甲イカのサイズに合わせた丁度の長さとする。その為には、後鈎付きのハリスは「各長さのハリス」で別に造っておき、前鈎に掛けてイカのサイズに併せる。
 餌に甲イカ使用の場合は、イカの泳ぎが弱くて大魚の「追い食い」が悪いから枝ハリスを1m程長くする。
 錘が重過ぎると、深いポイントでの手釣りはきつい・・・着底が判明できれば軽い程大魚の食いもいいが、沈下タイムは長くなる。

 
冬の[イカ鯛釣り]の餌・・・左は、コブイカ。シリヤケイカは秋に別府湾に多い甲イカ。右はイイダコ

大真鯛「甲イカ掛け胴付き仕掛け」  (豊後水道・津久見港 XJ漁師の仕掛け)
 大真鯛は、冬季には80mから200mを越すような深いポイントに寄るコブイカ(甲イカ)に附ける。
ビシテグスは14号とし、100m使用する。ビシ号数は小小、ビシ間隔は20cm程度がいい。尚、80mを越すポイントでは、対応できる長さの元糸の追加が必要だ。
 ハリス上にはゴムクッションは2.5mmの2m物を必ず付けておく。
 主ハリス8号、枝7号ハリスを使用して枝数は2本。ブリ・ハマチなどの大魚が居なければ6号ハリスでもいい。
 枝間は3尋(4.5m)?、枝長2尋矢引き(4m)錘間は100cm。
 イカが小イカの場合は1本鈎。胴長10cmを越す活きイカ餌の場合は前鈎1本、後鈎2本の3本鈎を使う。
 真鯛一本釣り鈎を使用する。鈎のサイズは釣れる真鯛の大きさと餌イカのサイズで変える。
 親鈎(ケン先に掛ける)は、鯛一本釣り鈎の12〜15号。孫鈎(後鈎)は、鯛一本釣り鈎14号〜15号鈎を2本出して、両目玉付近の左右の足の根元に隠し掛けする。
 甲イカは「動きや泳ぎ」が鈍いから、枝ハリスを長くしないと真鯛は食ってこない
 錘は軽い号数を使うがいい。深いポイントでは、適宜重い錘を使用する。


イカ鯛釣りの外道 外道には、大きなブリ・アラ・大ヒラメ・大ホゴ・ニベなど。



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